函館市交通局  8000形
 
  角ばったデザイン。そしてあたり1面に描かれた青空。
1990年から97年にかけて製造された函館市電の主力車輌の一つがこの8000形です。製造・・・というよりも800形から譲られた駆動装置などを再び使用している事から、さしずめ改造車と言ったほうがいいかもしれません。そのため今までの車輌同様にZパンタを搭載したり、何よりも吊り掛け駆動になっていることが大きな特徴(^^;;でもあります。他の市電の車輌同様に湯の川〜ドッグ前・八地頭間にて運転中、日中の「待たずに乗れる」5分間隔の運転に一役買っています。
ちなみに「部分低床車」で一世を風靡した8100形はこの8000形の「弟」的な車輌で、8000形と同じタネ車である「800形」を改造しています。
(撮影・取材:函館市電線・十字街〜どっぐ前駅)

 

 

 


車内の様子です。それにしても随分とさっぱり、そして暖色系で攻めています。
「路面電車」というとどこか重々しいイメージを持ってしまう車輌が多いのですが(当社比(^^;; )
この車輌にはどことなく「軽さ」を感じてしまいます。移動中の車内は「スキップ」なんて言葉が浮かんできました。
大きな側窓は2段に分かれてあり、上下それぞれ開閉できますが全開…というわけにはいかないようです。
また、床は茶系の色、一色で統一されており、フットラインなどはありません。


天井もこの通りすっきり。
すっきりしている理由の一つには「冷房」が搭載されていないと言う点もあります。夏も暑苦しくない函館では冷房は不要!との考えが8000形製造の際にも根強く残っていました。今では新造車には取り付けているようですが、冷房改造をしよう!といった動きまでは出てきていないようです。つまり・・・函館の夏はトーキョー、それも「怒」イナカ青梅の何倍も過ごしやすいんだろぉなぁ…と(^^;;

蛍光灯は剥き出しで2列。そして吊革にもご注目下さい。えぇ、国電ファンにはたまらないアイテムですね。


いつもとは逆パターンですが、(^^;;ここで妻面をご覧頂こうと思います。
運転席の仕切りは右に寄っており、左には運賃箱、そして出口と続いています。
新造車だけあって妻面上部の壁の作り方や、傾斜した前面窓など、車内の光が反射しないような工夫が「仕切り」という直接的なもの以外にもみられます。
運賃箱はその妻面上部の壁にどかんと。駅名表示がきれてしまいましたが、この存在、思った以上に目立ちます!


出口がでたら入り口も・・・ですね。入り口はこのように引き戸になっています。
このあたりの構成は従来の市電車を受け継いでいます。
その手前には整理券発行機。ステップの関係でかなり低い位置に取り付けられています。
それにしても白い化粧板がここまで占めてしまう空間というのも、この車輌にとっては「珍しい」事なのかもしれません。


座席をご覧頂きます。先ほどの整理券発行機の右側にある、4人ほどが座れる座席です。
茶色のモケットは程よい明るさになっています。周りとの調和も見事です。
座り心地は座面も含めて硬すぎず、柔らかすぎずといった所です。ただ、背もたれが全区間乗り通すにはちょっぴり頼りない薄さになっていますが、路面電車の「目的」ゆえに仕方ないことなのかもしれません。

それにしても・・・袖仕切りにバスの香りがプンプン漂っているのは気のせい・・・でしょうか?


優先座席は文字とカバーで徹底しています。
黄色いカバーはランドセル・・・ではなくて8000形以前の車輌との共通になっています。
素材が布地ではなくてビニールなので、車内環境によってはいくらか冷たく感じる事があるかもしれません。

それにしても・・・グレーのゴムが巻いてある袖仕切りには・・・やはり路線バスを感じずには・・・(^^;;
都市部でトロリーバスが残っていたら今頃はこんなバステイスト満載なアコモが流行っていたかもしれませんね。
 
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