福島交通  7000系
 
  1991年に導入されたオールステンレスカー。とはいっても東急からやってきたのであまり目新しい物ではないですが(^^;; その導入から既に20年が経過し、波瀾万丈の第二の人生を送っています。
特に駅ビルへの衝突事故が引き起こした廃車、そして床置式という斬新なアイデアを用いた冷房化は他の元東急7000系を用いている会社にとっても衝撃的ではなかったのではないかと思います。なお、事故廃車に代わる新たな車両が補填されることはありませんでした。現在も2両編成の冷房車と2両編成や3両編成を組んでいる非冷房車のグループが活躍をしています。
今回は2010年6月の夕方に訪れた際忙しく動いていた冷房車の様子を中心にご覧いただきます。
(取材・撮影 福島交通飯坂線・福島〜飯坂温泉)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。元東急7000系ということもあって、座席や冷房以外はしっかり東急時代の面影が残っています。それでもくたびれた雰囲気をあまり感じさせないのは座席モケットがキレイだからでしょうか?3ドアロングシートの車内です。
ワンマン設備が見当たりませんが、福島交通の列車は全て車掌が乗務します。乗務員室との仕切りの周辺は確かにスッキリしていますが、物々しい天井がスッキリした雰囲気を壊しています。


乗務員室との仕切りです。大きな窓が3枚備わっており、この解放感がこの車両のウリですが、福島行きの列車では進行方向前の方に改札があり、立客もそれなりに集まる傾向があったので、若干つかまる部分が少ないのでは?という気がしてきます。ただ、先頭部分まで吊革や蛍光灯がしっかり備わっていますので、夜間でもしっかり仕切りまで照らしてくれるのは心強いです。


一方、冷房車は車端部が物々しいことになっています。冷房装置が床置きで設置されており、貫通路からはみ出して設置されている隣の車両の冷房装置もチラリ見えます。これがトイレだったら嬉しいところですが、強度上屋根上に冷房装置が載せられないため、やむを得ず床置き式を設置したという経歴です。この手の冷房はJR西日本の105系でも見ることができますが、こちらの方が存在感があるように思えます。
貫通路の上の広告枠がちょっと地味ですが、冷房装置の関係で蛍光灯の設置が車端部のみ片側に留まっている点が影響しています。

その冷房装置です。冷蔵庫の扉のような外観ですが、中に飯坂温泉のほてった体に効く牛乳なんぞ入っていると…いいなぁ(^^;; 物々しいダクトは物々しい吹き出し口へと張り巡らされています。
 
その吹き出し口と扇風機です。右の画像の扇風機は1960年東芝製とのことで、私の大好きな筆記体ロゴの「Toshiba」がそのまま残っています。東急時代からそのまま使っているのでしょう。
吹き出し口は本当に純粋な吹き出し口で、同じ場所に向かって吹き出てきます。扇風機がそれをかき混ぜるリレー冷房です。形状自体はJR西日本のキハ40形でも見る事ができますので決して珍しい物ではありません。網棚が撤去されている仕様もそのまま標準です。


その冷房装置や扇風機で賑わっている天井です。丸みを帯びた天井は今の車両と比較しても少々低めの仕様。とはいえ、歩くのには全く困りません。蛍光灯の数は通勤車両らしく多めに、隙間をあまり作らないように設置されています。
吊革のハナシはまた後程です。


床は7000系標準仕様の茶色一色。雪はそれなりに降ると思いますが、ドアマットはなくても大丈夫でしょうか?


ドア周りです。天井の低さ、ダクトの様子も伝わってくるかと思います。
原型そのままの扉で、無塗装ステンレスのものがそのまま使われています。整理券発行機などが無いので鴨居部やドア周りも非常にスッキリしています。東急時代の面影を探して全国行脚されている方には割と好まれるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
網棚の上には非常用のはしごが載せられています。存在が実にわかりやすい装備品です(^^;;


窓は個別に設けられた2段窓です。イマドキ下段も開く仕様は付近を走るJRでも珍しくなってきていますが、住宅などが密接する区間や車道のすぐそばを走る区間もあり、冷房がついているとなかなか開けたくありません(^^;; 非冷房車では重宝しそうですが、上下とも開く大きさに限りがありますので全開で全快!!という仕様にはなっていません。

 
座席周りです。左の画像はドア〜ドア間の座席で8人ほどが座れるでしょうか。右の画像は車端部で4人掛けで、優先席のシールが窓に掲げられています。
よく丁寧に整備されています。モケット以外は東急時代から変化はありませんが、モケットは蘇芳色から爽やかな青色に変更されています。この爽やかな青色がまた良いですね〜。福島交通の高速バスのうち、青と白を基本にした新塗装が斬新で映えますが、その塗装をも連想させる爽やかさです。願わくば、このクオリティを維持してほしいものです。
座り心地はオーソドックスなもので、乗り心地も飛んだり跳ねたりすることがあまりありません。


袖仕切りです。パイプ形状のものが継続使用されていますが、さすがにこれではちょっと冬は厳しいかなぁーと思うところです。とはいえ座席が端ギリギリまで迫っているので、これ以上形状の変化が求めにくそうなところです。薄いアクリル板で構わないので、風除板の設置をぜひ!
個人的に見た目で気になるのが袖仕切りの下の棒。半端なところできれているのが実に気になります。引っかけるとか転ぶとか、そういう危険なことが無いのは当然ですが、見た目的に中途半端なので気になってしまうのです。


最後にお約束の吊革を。左が福島交通に移籍後貼られたクレジットカードのご案内。真ん中は毎度おなじみ夢見る女子には好評?の「109」の広告。そして右側は真っ白。
…このバリエーションの多さに頭がついつい真っ白になってしまいます。

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