福島交通  1000系[2両編成]
 
  2017年にデビューした福島交通飯坂線の車両は先代に倣って2両編成と3両編成の2種類がお目見えしていますが、今回は終日走っている印象が強い2両編成の模様をお届けします。
ヘッドマークには「いい電」の素敵な文字。地名と引っ掛けたネーミングながらすごいセンスの良さを感じます。住宅地の沿線を割とキビキビと移動しているように感じるのは車掌さんのキビキビした動きがあるからでしょうか。そんな日常のヒトコマを五感で愉しみつつ、気が付けば約23分で飯坂温泉。いい湯加減で待っています。
…こんなシチュエーションのいい電は譲渡車ながら見慣れない顔。でも側面を回れば…東急1000系の雰囲気は結構色濃く残っています。
(取材・撮影 福島交通飯坂線・福島〜飯坂温泉)

 

 

 


車内全景です。ベースは3ドアロングシートで変更はないのですが、東急ではなかなか味わえない味付けをしているのが一目でわかります。ちなみに3両編成の車内は東急時代を色濃く残しているので、比べて乗るとその差が愉しめます。あと、うさぎの「ももりん」に会えるのは2両編成の方ですね(^^;;

 
車端部です。ピンクの暖簾が飯坂温泉方車両の車端部で車椅子スペースを備えています。青い暖簾は福島方車両の車端部で、避難用の梯子を荷棚に載せています。どちらも妻窓にはパンフレットラックが置かれていますが、隣の車両からラックの後ろがチラリ…けんみん共済のご案内とのことです。
座席は2両とも優先席に指定されていて、吊革は黄色に統一されています。そして妻面の木目柄がなかなか上品です。


車椅子スペースです。何か窓の下の化粧板の色が違う部分が気になって仕方が無いのですが…(^^;; 手すりを1本設置したくらいですが、3両編成の車椅子スペースと構成はそっくりなので飯坂線と言えばこの車椅子スペース、といった感じです。強いて言えば、3両編成で貼られていた沿線マップがこちらには貼られていませんが…個体差かと思います。

すみません…黙っていられないのでつい言ってしまいますが…なんでこの色の床なんでしょうか(^^;;;

 
乗務員室との仕切りです。ここも木目柄の化粧板を貼っていますが、扉部分は若干色を変えて変化をつけています。そして仕切り扉の窓には「ももりん」と「ブラックももりん」が温泉に入っています。遠近感を演出した貼り方がなかなかイケてますが、サングラスかけたまま温泉に入るのって…タモリさん以外いないのでは?とつい心配になってしまいます(^^;;
そしてその上には暖簾がかかっていますが、ここまで仕切り扉で演出ができるのはワンマン車ではないからだと思います。そのワンマン車でよく見るような液晶ディスプレイが扉上に掲出され、次駅案内などを率なくこなします。


天井周りです。朝の連続テレビ小説の中吊り広告がエールを送るシチュエーションは地方私鉄あるあるですが、目立った変更点は吊革の色が茶色になったことでしょうか。レトロな雰囲気を出すための演出の一環…とのことですが、東北で茶色い吊革はちょっと珍しく、7000系時代の東急の頃を色濃く残した吊革とはちょっと違う面持ちでの起用になります。
(誰ですか、東急時代の吊革こそ…!と喉元まで出かかっている人は…!!)
フラットな天井、よく効く冷房、車端部も機器室がなくなって天井同様スッキリしています。


エメラルドグリーン一色の床です。この色もレトロさを求めての登板とのことですが、妻面の木目柄とセットで「昔のちょっと小綺麗な公民館のような佇まいに見えてしまうのはきっと私以外にもいる筈…あ、ちょっと無茶ですか(^^;;
尤も可愛い柄を散りばめると後々のメンテナンスも大変そうなので、実用的なところに落ち着いたと思われます。


ドア周りです。3両編成とは違いドアがホームにかからないところが無いので、至ってシンプルな構成です。ドアステッカーもあっさり、ドアそのものも無塗装の銀色に落ち着いています。ここを弄る車両を良く見ますが、その分いい電は側窓を賑やかにしているようで…。
鴨居部には案内は特段ありませんが、ドアチャイム用のスピーカーを設けています。


その側窓です。沿線の四季の模様を象ったイラストを3連窓で描いています。このデザインはなかなか秀逸ですが、窓の景色を見たい人とのせめぎあいもあり、窓を開けるとデザインがガタガタになりそうで(^^;; つい耳を立てて評判を聞きたくなってしまいます。ウサギだけに…(^^;;
真ん中の窓、右下にはイラストの解説もしっかり。

 
座席です。ドア〜ドア間は9人掛けですが、3人ずつ区切られています。これは着席定員とは別にデータイムに寛げることを考えると嬉しい配慮です。モケットの組み合わせで2パターンありますが、座席によっては茶色とオレンジの差がわかりにくいところも…(^^;;
東急譲りの座り心地で座ると多少は沈み込むものの、座面の硬さが真っ先に伝わってきます。乗車時間を考えればまずまずかなぁ…と思いますが、のっかっている印象は3両編成も2両編成も同じです。

 
車端部の優先席はドア〜ドア間と同じモケットで、4人掛けの座席になります。
モケットで遊ぶ車両が増える中で、この車両が東急時代のモケットをそのまま維持しているのは今後の可能性を秘めているから…ということでしょうか。避難ようのはしごが荷棚に乗っている区画はその下の座席が暗めになるのは致し方がないところですが、モケットの配置を逆にしたら少し見た目も明るくなるのでは…と思います。


肘掛けと袖仕切りも木目調の化粧板が貼られています。肘掛けは東京時代に劣化が特に目立ったパーツだっただけに、今後20年、30年経った時に今の美しさが維持できているかどうか…自称「ブラックももりん」よりもブラックな取材班が「ももりん」と一緒に見守ってゆきたいと思います。


それにしても、シンプルで味のある暖簾です。
これを見ただけで、もう下駄を履いて温泉街へ繰り出したくなってきます。

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