福島交通  1000系[3両編成]
 
  2017年に営業を開始した福島交通のニューフェイス。「いい電」という新たな愛称ももらい、茶色とピンクの前面帯が印象的なこの車両も、先代を踏襲するバッサリ切妻スタイルにヘッドマークはサンパチ板ですか?と聞きたくなる気持ちをグッとこらえる今日この頃、私もつくづく口が堅い大人になったものです。
今回は3両編成の車内を取り上げます。7000系の頃もラッシュ対応で2両編成と3両編成が導入されましたが、非冷房だったこともあり主役は2両編成でなかなかお目にかかれませんでした。今回の1000系も2両編成が主役で3両編成は2編成のみの存在になってしまいました。それでもラッシュの切り札として頼りになる存在です。

(取材・撮影 福島電鉄飯坂線・福島〜飯坂温泉)

 

 

 


車内全景です。この画像を見て東急1000系を見ているような気分になったのは私だけではないと思います。
色々と細かい所に手を入れた2両編成とは違い、3両編成はほぼ東急の時の雰囲気を残した車内になっています。これも実は7000系譲り、福島交通の十八番だそうですが、7000系の3両編成は結局乗れなかったので、この目で確認できなかったのが残念です。
3ドアロングシートの車内です。今見ても空間の開放感は見事です。


車端部の様子です。まずは両側とも座席があるタイプですが、このタイプは中間車に1か所あるのみ、なかなかレアな車端部になります。逆に言うと各車両1か所車椅子スペースを設けていることになります。妻窓、そして貫通路が見えます。その貫通路についている扉は開け放つスタイルが基本のようです。
優先席ということですが、吊革やステッカーで啓発し、座席モケットは変更していません。このあたりも東急っぽいですね。

 
けんみん友の会のリーフレットが置いてある車椅子スペースつき車端部の様子です。右の画像は中間車の飯坂温泉方車端部の模様で、避難はしごが荷棚に乗っています。こちらには液晶ディスプレイも備えていますが、車掌さんが乗っているのに他の鉄道会社のワンマン車でよく見るディスプレイを用いているのがポイントです。も、もしかして…?!
車端部によっては消火器がかかっていたと思われる痕跡もありますが、この1000系では車椅子スペースを活用して扉の中にしっかり格納されています。妻窓が大きい分扉で全力PRしたいところです。


車椅子スペースです。あっさりしています。握り棒のみです。東急では妻面の消火器箱のデッドスペースにモケットを貼る車両もいましたが、この車両には貼られていません。その妻面の上にあるのがけんみん友の会のリーフレットです。
池上線の東急1000系についていた非常通報機はこのスペースにはありません。先頭車の非常通報機は貫通路を挟んだ反対側の高い位置にいますが、中間車は…ちょっとキョロキョロする必要がありそうです。


乗務員室との仕切りです。助手席側に大きな機器箱が設置されています。運転台を新たに設置したこともあり、ここの部分はそこそこ目新しいかなぁと思います。それでも周りが東急そのまんまで、このコンテンツをご覧の方が飽き始めていないか心配です。
きれいに整った、好き嫌いがはっきりしない構成はこの手の改造を手慣れている証でもあります。吊革はその仕切りまでしっかり伸びています。


天井周りです。なんといっても先代7000系との一番の違いがこの天井のフラットな美しさではないかと思います。ラインフローファンがついてよけいな機器スペースもなくなりました。つり革は丸い取っ手のものを使用していますが、こちらも東急時代からそのままです。惜しいのはバンドのプラスチック部分に「東横のれん街」とか「東横食堂」などと入っていない点ですが、東急時代にも入っていない文言を要求するのはおかしいですね(^^;


床です。こちらは見事なまでにベージュです。モケットの色合いに良く合います。


ドア周りです。ドアチャイムが追加されたりドアの中央部分に黄色いシールが貼られたりするなど、細かい工夫が施されています。とはいえドアそのものは東急の頃から変化はありません。ドアチャイムの箱も随分小さなものがついており、大きかった池上線・多摩川線用の1000系もついつい見習いたくなるような可愛さです。
ドアの開け閉めについては臨機応変に一部のドアだけ開け閉めするようなケースもあり、半自動ドアが無い部分をドアカット、場合によってはマンパワーで対応しています。


窓周りです。2両編成では時にウサギが窓越しに登場しますが、こちらはウサギの気配すら感じさせません。戸袋部分に貼られたガイドマップが福島交通の車両であることをしばしば思い出させてくれます。
18m車という車体長の制約があるので仕方が無いと言われればそれまでですが、このバランスが取れた窓配置がすごくお気に入りです。均等な大きさは見ていて落ち着きます。

 
ここはもう少し工夫して欲しかった座席です。ドア〜ドア間の3人掛け×3の座席はオレンジと茶色を互い違いに配置していますが、東急時代からそのまま持ってきたモケットも車両によっては色合いが心配になってくる座席もちらほら…。見た目は安心して座れそうですが、座面がしっくりこないまま座席に「のっかっている」イメージはそのまま。湯船で空気椅子をしているのと同じような気分にのぼせそうですが、あれだけ硬めの座席であれば多少のへたりはなんのその…だと思います。
間に挟まったひじ掛けを触れないわけにはいきません。地方私鉄の長めのロングシートではマストアイテムだと思っています。見た目も少し寛げるイメージがついて二重丸です。

 
車端部は4人掛けのロングシートで、座席幅、妻面の処理とも中途半端さが拭えません。画像はどちらも優先席のものですが、モケットは特段変更していません。それにしても良い色の組み合わせです。
袖仕切りの化粧板の上の握り棒がわずかにドア側に角度をつけて設置されています。これで袖仕切りによる狭さを解消したり、立客との分離が少しでもできれば…というところを狙ったものかと思います。しかし、この握り棒では停車中の風除けにはさすがになりません。車掌さんのきめ細やかなサービスに救われている部分もありますが、冬場の寒さ対策はもう少しハード面で展開すると、さらに暖かい車内になるかと思います。暖かいいいい電。打ちすぎました。


肘掛から袖仕切りを見ています。見てのとおり細いひじ掛けなので隣席戦争のことも気にしたくなってしまいますが、ちゃんとアームレスト部分に樹脂パーツをはめている点はエラい!と思います。この樹脂パーツの劣化につきあえるか否かが今後のポイントにもなります。暖かく見ていたいと思います。




 
この車内で一番驚いたのがこちら。ATSの関係で開かないドアがあります…って、どういうこと?!
7000系でも同じようなことをしていたのでしょうか?随分慣れた手つきでトラロープを手すりに結び付けています。
このドアは開きません。単純明快なテロップにあっぱれ。
 
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