福岡市交通局  1000N系
 
  勝手にそう思っているだけかもしれませんが…昭和50年代後半の車両って今見ても古さをあまり感じさせないもので…この福岡市交通局の1000系も一度更新が入っているものの格好良さは健在です。6両固定編成でJR線にも乗り入れます。地下鉄線内はATO自動運転を行っており、そのせいか停止位置の表示がだいぶ高い位置になっていますが…(^^;;ホームドア共々地下鉄の設備としては最先端を進んでいる印象です。そんな中昭和生まれの1000N系が今も活躍している歓び、乗り入れ先のJR九州に対してただただマジメに、シンプルな様子はまさに対照的という言葉が当てはまるものです。いや、JR九州っぽく車体側面に「はやかけん」と明朝体で書かれてもしょうがないんですけどね…(^^;
(取材・撮影 福岡市営地下鉄空港線・姪浜 他)

 

 

 


車内全景です。4ドアロングシートの車内です。一度更新が入っているとはいえ昭和の丁寧な作りの車内、ちょっと低い天井にこれでもか!ばかりの木目調とアイボリーのコントラスト。国鉄103系の車内とは比較できないくらい美しい車内は外観のアグレッシブさとは裏腹に、落ち着いた雰囲気を楽しめます。ただ、例えば福岡空港から地下鉄に乗った旅行客はこの車内で「懐かしいなぁー」という感想は出ないと思うんです。それだけこの時代にも確実に根付いている構成だと思います。


乗務員室はこれでもか!とばかりに木目調の化粧板をビシバシ貼っています。縁が銀色なのでこれでもか!とばかりに蓋の縁取りが見えますが…ATO機器の関係でしょうか、かなり多いなぁ…と感じる次第。広告枠も設けられず、ステッカーでの対応になっています。ちょっと地上区間では退屈そうですが、仕切り扉から辛うじて前面展望をすることは可能です。仕切り扉から真っ直ぐ向かうと前面の非常扉につながるわけですが、1000N系でその非常扉の窓が大きくなったのは大きいですね。

 
車椅子スペースは各車両に1ヶ所備わっています。画像は貫通扉が設けられた車端部の模様で、ここも木目調の化粧板が幅を利かせています。現在は車端部の座席は全て優先席に指定されています。また、車椅子スペースは各車両に1ヶ所備わっています。貫通扉は片側のみの設置なのでもう片側は若干暗くなってしまいます。同じ木目調の阪急のように貫通路の部分に灯り…まではいかなかったようですが、こちらも化粧板を貼る点は抜かりなし、といった具合です。
 
貫通扉が無い車端部もあります。妻窓は例によって機器スペースに充てられているようで、特に設けられていません。見た目は開放的ですが、車内の行き来は見た感じあまり無く、風の通り抜けや走行音の関係で扉があった方が落ち着くかなぁ…という印象です。今後、新型車両が出るとするならば防火上各車両に貫通扉が設置されるはずで、この開放感、そして木目調の雰囲気が継承されるかが気になります。

平成22年頃の車端部です。この頃は両側座席展開している車端部は優先席の設置が片側のみ、モケットも他の座席と共通である意味広告の入った吊革の方が目立っている有様でした。落ち着いている柄ですが、優先席の表記が木目調の化粧板に飲み込まれている感じは今も昔も一緒で、文字色と地の色を入れ替えた方が目立ちそうです。


車椅子スペースです。ベビーカーマークが登場してから床の表記、ベビーカーのステッカーが増えました。プレートではなくてステッカー…急遽対応した感じが出ているのが残念で、材質の決定は後々に影響するんだなぁ…ということを痛感した次第。今後長めの検査などで取り換えられることを期待したいところです。
握り棒のみのシンプルなデザインですが、福岡空港からの大荷物が置けるスペースでもあるので、これくらいがちょうど使い勝手が良いかもしれません。


天井です。ところどころファンデリアがセンターにいる姿、蛍光灯のカバーつきの様子、80年代の雰囲気がそのまま出ています。広告枠付きと一体になった吊革も実は80年代に国鉄の通勤車で瞬間風速的に見られた物で、類似品は東京都交通局の新宿線10-000形で見かけるくらいでしょうか。優先席の茶色い吊革は塗り替えた物なのか、真新しいものなのかが気になります。


床は…アイボリーでもかなり白い方で、フレッシュな雰囲気を演出しています。車椅子スペースに貼られた床シートはあくまでも車椅子スペースだけのもののようで、JR北海道のように優先席には貼られていません。

 
ドア周りです。LED表示機つきの鴨居部とそうでない鴨居部で交互配置となっています。真四角のドア窓は近年JR東日本にて流行っていますが、あ、ここに先輩がいた…といった具合でしょうか(^^;; 細かい改良は加えられているようで、点字シールは近年加わっています。ドア周りには吊革が多く備わっていますが、ほとんど線路と平行方向の設置で、垂直方向は握り棒のみの設置になっています。サークル状に配置しているJR九州の新型車両とはこのあたりの考え方も違いがでています。

 
LED表示機は若干の出っ張りがありますが、低い天井でも無難に収まっています。LED表示機が無い鴨居部を見ると天井の低さが今でも伝わってきます。
LED表示機自体は小さめの設置で、2段表示になってしまうと文字の小ささが際立ってしまいます。天神と博多でターミナルが分かれている福岡だからこそ、表示枠を大きめにして欲しかったものです。

 
窓枠からが福岡市交通局1000N系の真骨頂。窓枠の下辺にも木目調の化粧板を貼っています。この無機質な部分をいかに見せないかというこだわり、窓の間の桟もそうですが、他の車両にもそういう気配りを見習ってもらいたいものです。
側窓自体は固定式になりました。カーテンもしっかり備わっています。


座席です。ドア〜ドア間は7人掛けで、真ん中の1席のみモケットの色を変えてわかりやすく定員着席を促しています。JR205系とは異なり、座布団も背もたれも1人分だけ別に作った点は素直に評価できます。ただ、ちょっと茶色のツートンがはっきりしない感じで…1席だけ思い切って別の色にしても良いかもしれません。
座面は深く沈み込み、横幅がややタイトな点以外は実にくつろげるロングシートです。


車端部は基本3人掛けの優先席です。背もたれのモケットを変更しましたが…このオレンジこそ7人掛けの間の1人掛けに投入して欲しい柄でもあります(^^;; それにしても、随分と派手なこと…!1人分の区分けを明確にし、ヘッドレストカバーを見立てたモケットのデザインは秀逸です。

昔はこちらもオーソドックスな茶色モケットでした。モケットを変更したらなんということでしょう、優先席の表記が3ヶ所も増えました(^^;; 今後のメンテナンスが柄物だけに気になるところですが…不都合が生じたら…ほら、元に戻せば良いだけです。

 
袖仕切りです。さりげなく肘掛けに当たる部分にはビニールレザーを用いていて、冷たくならないような配慮をしています。そして妻面の肘掛け…近年の通勤電車に欠けているのはこの気配りです。欲を言えば妻面の肘掛け形状がちょっとダサい感じがしますが…これはこれで気にしない、気にしない。
また、昨今大型の袖仕切りがブームですが、寄りかかられた時の圧迫感の軽減目的でも内側に肘掛を設ける方法もアリだと思います。特に乗り入れ先のあなたはガラス張りになっちゃって…見た目はさておき、冷たさしか感じまないあなた、意外と身近なポジションに暖かい座席・仕切りがありますョ。
 
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