福井鉄道  880形
 
  かつてこの車両が真っ赤な車体だった事を忘れてしまうくらい、福井での新しい塗装にすっかり慣れてしまった感じがします。2006年から福井鉄道で活躍している2両編成、路面電車スタイルの880形を取り上げます。
生まれは名古屋鉄道で1980年に登場しました。岐阜県の名鉄美濃町線の主力として活躍し、同線の廃線とともに福井に活躍の場を移した格好です。
福井ではこれまで大形の鉄道車両が主力で、道路の中央を堂々と大型車が走る姿が福井ならではの景色として有名でしたが、この系列の投入で路面電車らしい景色へと変化を遂げています(^^;; 福井鉄道では急行列車としても使用され、時間帯によってはワンマン運転を行うなど、フレキシブルな運用をこなしています。
(取材・撮影 福井鉄道福武線・越前武生)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。おおよそ路面電車らしからぬ明るさと空間の広がりに目を見張るものがあります。名鉄の先進的なデザインが福井鉄道でもほぼそのまま引き継がれています。2ドアロングシートの車内です。
ドア周りにステップがあるなど時代遅れな一面が見られる一方で、床や天井などキレイに更新された部分もあり、車外だけでなく車内もイメージアップした部分が大いにあるのではないでしょうか。


先に乗務員スペース周りをご覧頂きます。こちらも路面電車よろしく中央に運転台があるスタイルで、後部に仕切り壁、運賃箱と運賃表示器を備えています。木目調の化粧板は1980年代の名鉄電車ではよく使われていた色合いですが、その左右をアルミで挟むことによって今でも十分通用する、クールなイメージに仕上げています。
ただ、運転台周りの狭さも路面電車だからこそ。導入当初、乗務員さんは慣れるまでに時間がかかってしまったのではないでしょうか。


鍵穴のような貫通路が面白い車端部です。このデザインは他の名鉄車でも見られますが、個性的なデザインは座席共々880形を印象づけます。連接台車の丸も目立っていますが、福井鉄道はもともと連接台車の車両が走っていたことから、名鉄電車のような珍しさはあまり感じなかったことでしょう。
それにしても…いつ見てもお洒落です。


天井周りです。天井そのものが低いこともあって吊革は天井から直接ぶら下がっています。吊り輪の色は名鉄時代と同じ水色になっています。
中央にはラインデリアが一直線に設けられていますが、送風機も所々端の方にぶら下がっています。ラインデリアでも用が足りない冷房能力…ちょっと想像がつきませんが、岐阜時代は電圧の関係で冷房が使えない区間があり、車内温度が上がるのを少しでも防ぐために設けられた送風機のようです。


床は中央にモザイク柄を配したキレイな床です。車内の明るい雰囲気作りに一役買うとともに、通路の狭い車内においてフットラインを明確に示しています。


ドア周りです。まず車内中央の入口ドアからです。こちらは大きな両開き扉になっており、ステップがあるため整理券発行機や握り棒も低めのセッティングになっています。
ドアそのものは白の化粧板でまとめており、ドア窓共々極めて無難な作りに落ち着いています。画像で見るとドア窓も小さめに見えますが、側窓と同じ高さになっているのであまり小ささは感じません。


もう一方、乗務員スペースの後ろに見えるのが折り戸になります。こちらが出口用の扉で、3枚折り戸のうち画像一番左側のドアだけ窓がありません。右と真ん中のドアは客室側へ、左のドアは乗務員スペース側に動くようになっています。なかなか高機能かつ省スペースな逸品です。


ドアや車端部など凝った部分を眺めていくと、どうもこの2枚窓が残念なアイテムに見えて仕方がありません。いやはや、ここだけ平凡に見えてしまうもので…(^^;; カーテンはありますが荷棚は一部座席の上にしかありません。

 
最後に座席周りです。右の画像をご覧頂くとより実感頂けるかと思いますが、肘掛けと袖仕切りは全く別のものになっており、袖仕切りは立客のためにあるような位置に設けられています。
座席そのものは長い座席をかたどったFRPをベースに背もたれと座面をそれぞれはめていったような具合で、この形式以外では名鉄でもあまり採用例を見ない座席です。座席自体は凝った作りですが座席下のヒーターが普通の形状というアンバランスさが何ともたまりません(^^;;;
短距離区間を乗る分には最近流行のバケットシートよりもホールド性が良く、見た目以上に快適ではないでしょうか。ただ、座面よりも座席のFRPの方が前に出てしまっているため、冬場は座る時にプラスチックの冷たい部分に接することになります。うーん、冷たそう(^^;;;


車端部は優先席に指定されており、全てこの紺色モケットになります。
茶色モケットの座席もそうですが、このプラスチックの辛子色がいかにも80年代テイストです。モケットがビニールレザー張りだったりするとさらに80年代のファーストフード店っぽいノリになるのですが(^^;;; 紺や茶のモケットはあくまでも名鉄標準の色になります。

あまざらしではないのでプラスチックの劣化などの心配がないだけに、今後も気合いを入れたリニューアルさえ行わなければいつでも福井で出会えるはずです。ぜひ、お試しを。
 
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