富士急行  6000系
 
  JR中央線との乗り入れも行う富士急行線。線内完結の普通列車に登場したのが元JR205系の6000系です。いくつかバリエーションがあるようですが、今回は山手線から京葉線と渡り歩き、富士急行に3両で入線した0番台、2段窓車を取り上げます。山手線から撤退する時は廃車かなぁ…と思っていただけに、令和でも2段窓に出会える悦びは将来リバイバルカラーとかやらないかなぁ…と余計なことまで思ってしまいます(^^;;
一方、車内外は水戸岡鋭治先生率いるドーンデザイン事務所の魔法で(^^; 見事に水戸岡カラーに染まりました。東京から一番近い「水戸岡デザインの鉄道車両」として君臨している富士登山電車に続いての登板、側面はどこを見てもロゴがウロウロ…特に切手のような縁のロゴは記念撮影にうってつけで、富士登山電車とは違う可愛さが乗車券だけで愉しめます。
え、やけにヨイショしてるって?!ここは前座ですから…(殴
(取材・撮影 富士急行線・大月 他)

 

 

 


ここから本編、車内全景です。4ドアロングシートの車内は富士山ビュー特急のような改造とは違う、205系の雰囲気をかなり残している車内です。既視感があるとしたら…中央線直通車両で朝晩走っていた201系と重なる部分もあるのではないでしょうか。
一方、水戸岡先生のデザインは座席、そして床に色濃くでています。特に木の床は首都圏の車両ではなかなかお目にかかれない逸品で、結構視界に入ってくるのでは、と思います。
富士急行への入線にあたって半自動ドアに改造されたり、袖仕切りに風除けの板を追加されたりするなど、寒さ対策に本腰いれています。

 
車端部は2種類です。中間車の大月方には車椅子スペースが、それ以外の車端部は両側とも優先席にしていされています。左の画像が優先席仕様の車端部ですが、座席モケットは他の席と一緒、吊革やステッカーで区別しています。風除け板の外側に優先席ステッカーを貼ったのはなかなか名案ですが、劣化への補修がついていけるかが心配です…。
貫通扉はステンレスのものをそのまま使用しています。オリジナリティは吊革の他、この区画の広告枠にも。どちらも木を活かした格好ですが、種車の化粧板のままということもあり、どことなくキュートで、これぐらいが丁度良いのです。


ヒーターを2台設置した(^^;; 車椅子スペースです。ここからも冬の寒さがド、ドドンパ!と伝わってきそうです(^^;; 非常通報機と手すりを設けています。ヒーターの出っ張りを考えるともう少し握りやすそうな手すりが欲しいところで、特に妻面、貫通扉ギリギリの部分に縦方向の手すりがあると車椅子の方、立客の方にも握ってもらえると思うのですが…。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が大月方車両の仕切りで、右側に仕切り扉を備えています。いわゆるオリジナルの仕切りです。一方、右の画像が先頭車改造車の仕切りで、203系を彷彿とさせるものがあります。仕切り扉は真ん中ですが、外観の「顔」はどちらも非貫通型の同じもの。真ん中の理由は点検蓋にあると思うのですが、真相や如何に…? 改造車なのに違和感がないのは扉や窓がこれまでの205系に見られたものと同じだからで、なかなか芸が細かいと思います。

ここにもヒーター、そして左の画像、中吊り広告の奥には機器類が入った箱が天井からぶら下がっています。頭上注意です。


天井周りです。ラインフローファンを真ん中に置き、両脇に蛍光灯が展開します。増設された吊革はそのままに、手掛けを木にして触り心地一新。天井はあまり弄らない姿勢は水戸岡先生のデザインでは度々見かけますが、座席から下は気合を入れて改造しているだけに、蛍光灯が何の配慮もなく光を放ってええじゃないか…で終わってしまうのはちょっと勿体ないなぁ…と。アンバーな雰囲気に包まれながらの帰宅の途…水戸岡先生と富士急のタッグならできると思うんですけど、ねぇ…。


木の床です。点検蓋のところもしっかり貼って、ドア周りには滑り止めもしっかり。ただ、この木の床はこまめなメンテナンスができているかどうかが一目で分かってしまいます。戦慄迷宮入りする前に、過去のケースを他社から学んで先手先手…が大事です。

 
登場から5〜6年経過した段階で取材していますが、既にメンテナンスが追いついていなさそうなドア周りです。かなり素敵な青色に塗って、お昼のYBSテレビのニュースで使えそうなクロマキーのようにも見えますが(^^; 近づくと細かい傷や結露が伝った跡が目立ってしまっていることも…。ドアに色を塗るのであればちょっとやそっとの擦りでもビクともしない厚塗りにするか、化粧板を貼れば良かったのに…と思う今日この頃、ドアステッカーやドア窓のピクトグラムもご無事かどうかがやたら気になります。

ただ、ドア自体はJR時代からそのままのものを使っています。この0番台では小さめのドア窓が大きなポイントです。

 
鴨居部は千鳥配置でLED表示機がつきました。LED表示機がない反対側も鴨居部が出っ張っています。そちらには路線図が入っていますが、富士急の路線図はもう少し遊び心があったような気がしたので…なんかシンプルになってしまったのは残念。
LED表示機は種別、行先、停車駅、次駅案内などを展開しますが、如何せん6文字だけの表示では全く足りず、次々に流れる情報についていけなくなるのでは?と心配になります。だって…駅名が一発で入らないんだから…富士急ハイランド…(^^;;;
後年増備された編成ではLCD表示機に切り替えたケースもあるので、今後の展開も少し気になります。


半自動ドアのボタンです。205系3000番台、205系600番台とも違う形状で、ボタン自体はキハE130形で見かけるものにそっくりですが、車内側はボックス全体で見ると…あまり他の例が思い浮かばない形状をしています。また、「あける」「しめる」の表記がありますが、テプラで無いところに好感が持てる一方、こうして大きく文字起こししないとわかりにくいボタンの記号の存在意味を考えると…パニック・ロックな気分になりそうです。


側窓です。205系2段窓車の名物だった側窓と側窓の間の化粧板はそのまま残っています。一方、2段窓は維持していますが下段についてはツマミが撤去されて実質固定窓として使用しています。
後年増備された車両では床置きの荷棚が設置されましたが、スーツケースゴロゴロ…のシチュエーションを思うと、この車両にも床置きの荷棚があるといいな、と思います。

 
座席は7人掛け・3人掛けそれぞれモケット違いを2種類ずつ紹介します。まずはドア〜ドア間の7人掛けです。
元々あった座席を最大限活用し、モケットと袖仕切りをリフレッシュしています。故に柔らかい、ちょっとへたり加減が心配な座り心地も健在です。また、特段着席区分は設けていません。

 
3人掛けです。モケットはこれら4種類を中心に展開しています。7人掛けの右の画像のモケットのように色を巧みに配置し、鮮やかな車内に整えています。特に私は3人掛けの画像右、格子状のものがお気に入りです。
富士急オリジナルのモケットを用意するのは難しいとしても、せめて優先席で赤系のモケットを見たかったなぁ…と。赤富士で堂々と周りと区別すれば優先席をお洒落に区別できる、腕の見せ所だと思うのですが…。

妻面の余裕のある構成はそのまま継承しています。消火器スペースを塞いだ跡は気にしない気にしない…(^^;;;


袖仕切りも木目調になりました。肘掛けとしての空間も確保した風除け板もくっつけて万全の体制を取っている格好ですが、英文字は早くも剥がれかけているものが散見されています…。英文字ではなくて、ドア窓のロゴぐらいだったらまだ目立たなかったものを…英文だとつい読んじゃうでしょ(^^;;


うどんが伸びるくらい注文の多いコンテンツになりましたが、
何事もほどほどがちょうど良いのです…。

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