富士急行  5000形[トーマスランド号]
 
  1975年、突如登場した富士急行の新型車両が5000形になります。登場した時は譲渡車両とは全く異なる雰囲気で迎えられ、これ以降富士急行は新型車両を全く作っていないことから登場から35年が経過した現在でもちょっと浮いた存在になってしまっています(^^;;
登場時から様々な塗装で登場しましたが、現在は富士急ハイランド内にある施設と完全にタイアップした「トーマスランド号」として活躍しています。中央自動車道にも同じ塗装のバスが走っていますが、蒸気機関車のキャラクターを電車に描くというなかなかシュールかつ画期的なラッピングを施しています。運用時刻表は2011年1月現在富士急行のwebサイトに掲載されていますので、1編成ながら乗車は簡単かと思います。富士登山電車の帰りに、ぜひ!
(取材・撮影 富士急行線・河口湖〜大月)

 

 

 


車内全景をご覧いただきますが…既にこの全景で冷静沈着な解説ができそうにありません(^^;;
車外だけでなく車内もトーマスランド号仕様に徹底的に改装されています。2007年以前は薄緑色の化粧板を基本にした国鉄っぽさを漂わせる車内だったのですが…(^^;;; コレ狙いで乗る観光客はもちろん大ウケですが、地元の「たまたま来たので乗らざるを得ない」方にどのように映るのかが気になりますが…富士登山電車と異なり、内装の奇抜さとは裏腹に座席や車内構成はスタンダードな装いなので、さほど使いづらい、居心地悪いということはないと思います。
スペックとしては2ドアセミクロスシートの車内で、トイレや車いすスペースはありません。


乗務員室背後の仕切りを見ています。
乗務員室のすぐ後ろに固定クロスシートが1組ずつ、そしてロングシートという組み合わせです。窓の位置が高いこともあり前面展望は厳しいところですが、前面展望に関しては「フジサン特急」にお任せというところでしょうか。子供目線で車内をズンズン進んでいくとトップハムハット卿とバッチリ目が合うわけですが…テレビ人形劇のハット卿よりも愛嬌があるのは気のせいでしょうか。

大月・富士吉田・河口湖と主要駅は改札が軒並み乗務員室側、つまり端っこに偏っています。ただ、つり革はロングシートの上のみなので混雑時にはちょっと対応しきれない面も出そうです。

 
車端部の様子です。左の画像が富士吉田方先頭車の河口湖・大月方車端部、右の画像が河口湖・大月方先頭車の富士吉田方車端部になります。乗務員室仕切りと同じ絵が全面に描かれています。どちらも妻面に窓がない仕様なのでノビノビと描けているわけですが、左の画像のとおり自動販売機が置かれてしまい、どんな絵が描かれているか秘密のベールに包まれている部分もあります。

なお、2010年8月以降車端部や乗務員室背後の座席などをリニューアルし、お子様用運転台やトーマスの大きなオブジェが置かれるなど、今まで以上に派手な車内になっているそうです。取材は2010年2月時点でのものですので、現行とは大きく仕様が異なっております。予めご了承ください。


クロスシートを一組撤去して設置された自動販売機。クロスシートの名残は画像手前の仕切り板になるわけですが、この自動販売機の商品が面白く、カンのように円柱でかたどられた紙パックの商品になっているようです。環境に配慮した作りとのことで、自動販売機自体に「カートカン」と書いて熱烈アピールしています。
それにしても列車内における自動販売機が撤去される中、このような形で販売されているのは嬉しい限りです。


冷房部分のでっぱりが目立つものの、やはり抜かりなく描かれたイラストがよく目立つ天井です。
冷房以外はほぼフラットな天井に仕上がっており、さぞかしイラストも描きやすかったのでしょう(^^;;
なお、蛍光灯はむき出しですしつり革もごく普通に設置されていますので、観光気分で乗られた方には天井の設備を見てちょっとガッカリしてしまうかもしれません。


床はアイボリー、ドア脇にはマットも設置されています。
自動販売機と同時期に更新したのでしょうか、マット、床の色ともに昭和50年生まれの車両ではなかなかチョイスできない一品を起用しています。

 
ドア周りです。左の「トーマスランド」ロゴ入り鴨居部と、液晶ディスプレイつきの鴨居部、2種類が千鳥配置で設けられています。いずれも半自動ドア、かつ大胆なイラストつきです(^^;;
戸袋窓、ドア窓ともどもちょっと古く見えてしまう点は否めませんが、武骨な鴨居部もこうペインティングされてしまうともはやデザインの一種としてすんなり受け入れられるのはないでしょうか。
惜しむべきは2ドア車なので液晶ディスプレイの数が1両に2台しかないことで、クロスシートも多い車内だけに車端部にもつけて欲しいところです。


半自動ドアは手掛けでガラガラ開ける引戸タイプです。その汚れ具合が大きく変化した車内外で隠れ気味になっているこの車両の歴史を雄弁に語っていますが、1000形がボタンで押す半自動ドアを採用して以降、JRの115系ともども存在も重さも気になるところです。


急に水色が多勢を占める画像が出てきましたが、ブルーバックのテレビ画面ではありません。鴨居部の比較です。上の画像がロゴバージョン、下の画像が液晶ディスプレイバージョンになります。
 
液晶ディスプレイの表示例です。おそらく富士急オリジナルの表示で、各地の写真やカラフルな広告が挿入されているのが大きな特徴です。これなら観光客の方でも見てもらえるでしょう。
左の画像のとおり英文字表示もできます。あ、ハイランドはアルファベット英単語を用いるんですね。てっきりローマ字だと思っていました…。




ここからは怒涛の座席ハイランド。まずはドア〜ドア間のセミクロスシートからお届けします。
5組のクロスシートを真ん中に、両端に2人掛けのロングシートを展開しています。クロスシートこそ国鉄で採用されていたスタイルそのものですが、ロングシートは地方私鉄っぽさ全開の様相です。
ここも仕切り部分にトーマスランドのロゴ。ヘッドレストカバーにも塗り絵にしたくなってしまいそうなトーマスのイラスト(落書き・塗り絵はもちろんやってはいけません!)。開いた口がふさがらないほど、抜かりありません…。

 
取材時では車端部や乗務員室背後は自動販売機のある区画を除いて同じ座席配置でした。2人掛けのロングシートと4人1組のクロスシート。このあたりの座席配置はロングシートでごまかしてしまいそうですが、しっかりクロスシートを設けてドア〜ドア間の設備と差が出ないよう配慮しています。
その一方、優先席はモケットで分けているわけではなく、ステッカーのみの区別になります。

 
ロングシートはどの場所もこの1種類のみ使用しています。蘇芳色のモケットが新しめで見ていてすがすがしいですが、これには運用の少なさも影響していることと思われます。
奥行きのあるロングシートは袖仕切りも独特です。独特…ではありますが、握る部分が少ないこの車両にとっては物足りなさも否めません。
しっかりした詰め物で、国鉄の近郊形電車のロングシートと遜色のない座り心地です。

 
クロスシートです。左の画像が端の席、右の画像が4人1組の中間部分になります。
どちらもスタイルとしては国鉄の近郊形電車そのもので、トーマスのヘッドレストカバーがオリジナルっぽい雰囲気を出しています。つまらない!と思いたいところですが、逆に言えば座り心地はベストセラーならではの安定感が約束されていることになります。1000形の転換クロスシートの足元が若干狭いことや、115系が乗り入れてくることもあって、足元の狭さもあまり感じません。

 
乗務員室背後や妻面にはお馴染みの取っ手がなく、ちょっと幅の狭いクロスシートがスタンバイ。
もちろんヘッドレストカバーもついています。イラストもクロスシートのすぐ脇まで描かれています。
平成22年8月のリニューアルではこれらの座席のうち、一部を撤去しているとのこと。過去帳入りとまではいっていないようですが、なくなって泣くような方はきっといないでしょう(^^;;

 
最後に側窓、2段窓です。テーブルはありませんが、窓の下には「さて誰でしょう?」という角淳一が「ちちんぷいぷい」の冒頭で言いそうなコトバとヒント文が書かれています(^^;;
私はこの問題の答えはよくわかりませんでした(^^;;;

帽子掛けは昔ながらのスタイルですが、荷棚はパイプ形状。新旧入り乱れています。


カーテンにもキャラクターが描かれています。下してみないとわからないかくれんぼ的な仕掛けです。

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