えちぜん鉄道  MC7000形
 
  飯田線の主として知られた119系がまさか譲渡されるとは思いませんでしたが、えちぜん鉄道でお色直しをしてさらにビックリ、前照灯はおでこに収まり、足元はサイバーな進化を遂げ…しばし呆然としてしまうものでした(^^; MC7000形として車番も振り直されました。
2両固定編成で正面にも「2両」と掲げていますが、単行のMC6001形よりも出会う機会が少ないような気がするのは私だけでしょうか…。とある週末もデータイムはあれだけ走っていたのに、夜になったら単行のMC6001形ばかり…(^^;; その分出会えた時の感動ときたら…道端で恐竜に出会った時くらいウルウルきたかもしれません。大袈裟ですね(^^;;
2両編成6編成がえちぜん鉄道オリジナルの塗装で活躍していますが、そろそろこの塗装にも慣れたところで…JR東海時代のあんな塗装、こんな塗装も見てみたいものです。
(取材・撮影 えちぜん鉄道勝山永平寺線・勝山 他)

 

 

 


車内全景です。基本的な構成こそJR東海時代と大きく変わらないものの、床や座席の色、照明のLED化などでかなり新しく、鮮やかに目に飛び込んできます。ただ、同じ3ドアセミクロスシートのMC6001形とは元々のデザインが異なることもあり、全く別物の車内に見えます。それにしても…この座席、この車内でVVVFインバータの音が聞こえる違和感…慣れるまで若干時間がかかりました(^^;
福井や勝山など始終着駅では全てのドアを開放していましたが、無人駅では後ろの車両のドア開閉はありません。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像は勝山・三国港方、右の画像は福井方の仕切りです。若干仕切り窓の上の機器配置に違いがみられますが、基本的な構成はどちらも同じです。運賃箱は左右にスライドします。ドアを挟んで画像手前側には整理券発行機がありますが、両側どちらにも備わっている上にカバーまで設置されている本格派…これなら恐竜に踏まれても大丈夫です(^^;; データイムを中心にこの区画がアテンダントさんの拠点になることも多く、前面展望はちょっと離れたところから…になりそうです。


アテンダントさんの拠点になることもあることからか、マイクが備わっているのがえちぜん鉄道らしいポイントです。
他にも温度計、119系時代からついていた扇風機のスイッチ、虫除けのぶら下げる「アレ」、禁煙のステッカーなどなど、なかなか充実した区画になっています。

 
車端部です。福井方車両は4人掛けロングシート、勝山、三国港方車両は車椅子スペース…と…?!なお、取材時点で2両とも貫通扉がロックされていました。
車椅子スペースが設置された部分、JR東海時代は元々トイレの利用者と目を合わせないようにするためのクロスシートが設置されていました。他にもクロスシートが設置されているので好んで座っていた方がおられたかどうかはわかりませんが、少なくても車端部においてはえちぜん鉄道オリジナル、交換後の化粧板も模様が若干異なります。


車椅子スペースです。窓の上には今も座席番号を記したプレートが残っています…。
ヒーターと手すりを整えていますが、手すりは冬場も暖かいことになっていそうで…もう少し手前で握れるような配置の方が使い勝手が良いような気がしますし、空いた妻面にも手すりを設けるとベビーカーの子どもが安心して握れる部分として機能するのでは、と思います。なお、この区画の側窓は上下段とも開きません。

そして、ここにも虫除けが…(^^;;

 
トイレの跡を客室の一部分にしたフリースペースです。若干天井が低い部分が特徴的で、ロングシートと隣り合う部分の壁は四角くくり抜かれていますが、そこに窓ガラスはありません。
さて、このスペースをどのように活用したかったのかが今一つ見えてきません。コンセントは無いので自動販売機を置くこともないでしょうし、座席が設置された跡もありません…。立客を考慮すればそれこそ手すりや吊革が備わっていても良い区画なのですが、それが備わっていないのは「何か空間にはしてみたけれど、長居はちょっと…」ということかもしれません。

勝山、永平寺、あわら湯のまち…など福井県を代表する観光地を通るので、土日だけでもご当地ガチャポンでも置くとお土産にもなってお子様にウケると思うのですが…アテンダントさん、いかがですか?


LED照明が明るく照らしてくれる天井です。JR東海時代に整備されたインバータークーラーのゴツいダクトが車内を通っています。JR東海のインバータークーラー改造車が引退してから少し経つだけに、懐かしいなぁ…と思わず見上げてしまいました。
懐かしいといえばJNRのマークが入った扇風機も健在ですし、吊革はロングシート部分だけの設置で、近郊形電車の配置がお手本どおり残っています。

 
その扇風機とスイッチになります。このあたりも119系の頃から全く変わりません。えちぜん鉄道に乗り慣れている方はそれこそMC6001形にも設置されている分、操作も風も慣れたものではないでしょうか。


床です。紺色の床に全面的に貼り替えられています。えちぜん鉄道では自転車の持ち込みができますが、この車両では自転車のタイヤが擦った跡が気になるようなことはありませんでした。
座席の青色と見事にマッチしていますし、えちぜん鉄道の印象=青が最も感じられる部分です。


広告枠の設置により戸袋が塞がった中扉でドア周りを見ていきます。鴨居部も119系からの変化はなく、イラスト入りの路線図などが備わっています。半自動ドア機能も残っており、手掛けでガラガラ開けることもできますが、取材した2022年9月ではそのような場面は特にありませんでした。よーく見ると、ドア脇の手すりが大きくドア側に張り出しています。確かに乗り降りには差し支えない範囲で張り出したものですが、うっかりしていると衝突の可能性もあります(^^; 乗り降りは足元だけでなく周りも要チェックです。

 
手動開閉時の手掛けです。ここも119系の時からそのまま、扇風機以上に懐かしのアイテムと化しつつあります。


側窓です。下段を固定し、上段のみ開閉できるようになっていますが、上段も全開か閉めるかの二択になっている窓がほとんどで…まさかここまで窓開けに対して期待が集まる世になるとは思わなかったことでしょう。
えちぜん鉄道の車両でMC7000形にのみ設置されているのが帽子掛けとテーブルで、こちらはこの車両だからこその恩恵と言えます。ただ、テーブルの忘れ物には要注意です。また、テーブルの下の灰皿の跡は要注目です。


なんだかカーテンがくたびれていますが(^^; モケットの鮮やかな青は見ていて気持ちが良いものです。クロスシートは詰め物まで一新したのでしょうか、かなり良好なコンディションを保っています。そして、この形状を最大限活かして、モケットにえちぜん鉄道のマークを入れて独自色を採り入れる工夫…金銭面の都合はわかりませんが、この手の座席の「いじればいじるほど……」という轍を踏まない姿勢はgoodです。
幅広の車体の近郊形電車に比べると若干窮屈ですが、MC6001形のクロスシートと比べるとスッキリしている分窮屈さが幾分か和らいでいるように感じます。

 
ロングシートは2人掛けから4人掛けまで3種類。2人掛けは中央のドア周り、フリースペースの隣に設けられています。ここもモケットの張り替えが目立つ程度で、バケットシート化や袖仕切りの風除け板の設置などはありません。
 
3人掛けのロングシートは前後のドアとクロスシートの間に備わっています。狭い幅の戸袋窓、それに続く縦長の側窓が見た目の特徴で、区画によっては優先席に設定され、水色のモケットを用いているところもあります。MC6001形などでは黄色のモケットを優先席にしている車両もありましたが、MC7000形で黄色の優先席は見かけませんでした。どちらも美しい色ですが、色が濃淡でしか区別ができないのはちょっと優しくないかな…と思います。
こちらもへたっている様子は特にありません。適度な沈み込みは特に着座時に座りやすさを感じると思います。
整理券発行機の部分は実質「壁」になっていますが、ドアと発行機の間はやはり隙間…バータイプの袖仕切りを活かした発行機の設置となっています。

福井方車両の車端部は両側とも4人掛けロングシートです。4人掛け…のはずですが、座席番号のプレートは3人分しか振られていません。JR時代はきちんと4人振られていた区画だったのですが…確かに空いていれば3人で座りたくなる出で立ちであることは間違いないですが、D席はいったいどこへ?!(大袈裟ですね、すみません…。)


枠の向こうに広がる客室…大海原を見ているような、不思議な気分で。
 
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