えちぜん鉄道  MC5001形
 
  くの字のお顔がキリリと決まったMC5001形。えちぜん鉄道の前、京福電気鉄道の時から在籍し続ける唯一の車両となりましたが…あれ、最初からこの塗装だっけ?と思うくらいすっかりえちぜん鉄道の塗装も板についている印象です。
2000年に2両が導入されましたが、そのうちの1両は事故により廃車、現在は1両での活躍になっています。孤軍奮闘故になかなか乗る機会に恵まれなかったものの…先日、ついに出会うことができました。
この後車内の紹介に入っていくのが弊webサイトの宿命ですが、ぜひ乗って堪能して頂きたいのは音。特にコンプレッサーの音は郷愁を誘うものがあります。そして勝山に向けてグイグイ登っていく姿は格好良く…気がついたら福井発勝山行き下り列車に同じ日に2度も乗ってしまいました。2度目は何やらおじゃまっテレ…と言われたとか、言われたとか…。
(取材・撮影 えちぜん鉄道勝山永平寺線・勝山 他)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシート…今ではえちぜん鉄道唯一のロングシート車です。吊革の設置方向が線路と平行方向のみで、なかなか見通しの良い車内です。側面はフレッシュグレーの化粧板ですが、これがなかなかえちぜん鉄道の青や黄色のモケットと合う感じで、パッと見懐かしい部類に入りそうな蛍光灯カバーや荷棚の雰囲気をも呑み込むくらい、軽快で明るいイメージの車内です。この車内がボコボコとコンプレッサーが音を立てるわけですから…なかなか不思議なモノです(^^;
片開き扉ですが窓の配置はドア〜ドア間全て共通で、戸袋窓に似せた固定窓が設置してある区画もあります。

 
乗務員室との仕切りです。右の画像、福井方には車椅子スペースを備えています。
大きな仕切りが昔ながらの様相を呈していますが、前面展望にはなかなかうってつけ。ただ、車椅子スペースがある区画は整理券発行機が助手席側に設置されています。そそ、えちぜん鉄道には仕切りとドアの間のスペースには荷物はおかないで!と書いてある車両があります…この車両には書かれていませんが、念のため。
仕切り扉の部分には窓が入っていないところがありますが、福井発の列車を見ていると運転手は外の扉から乗車券を預かるシーンが目立ちました。


車椅子スペースには自転車置き場も兼ねてロープが設置されています。スロープや手すりも備わっていますが、吊革や窓上の手すりは省かれています。頭上の運賃表示機が気になるかもしれませんが、車椅子でこの区画を利用する場合にはあまり視界には入らないであろう高さに設置されています。
無人駅では前乗り前降りのスタイルになっているため、簡単な設備でも結構立席でこの区画を利用している方が目立ちました。乗車したのは9月でしたが、福井行きは最寄りのドアがずっと開いて閉じて…を繰り返すことを考えると、冬の寒さとドア全開時のバウンドが気になります。


フラットな天井です。これ、京福でデビューした時にさぞ喜ばれたのでは…と思います。何せ、冷房を載せていてもなかなか冷えなかったり、非冷房車が堂々と運用に入ったり…なかなか大変な時期だったと推測されます。
ラインフローファンや蛍光灯カバーもありますが、特に後者は天井の印象を決定づけるものではないかと思います。
かつては天井から荷棚にかけて2台液晶モニターが設置されていたことがありました。その後モニター自体は撤去されていますが、荷棚の上にその痕跡がチラッと残っています。


ベージュの砂利柄の床です。三国港あたりをイメージしているのでしょうか。
自転車持ち込み可の床は結構自転車のブレーキの跡が残っているものですが、MC5001形にはその跡はあまり見られませんでした。車椅子スペースが置き場の代わりとして、あのロープが効果を発揮しているのでしょうか。

 
ドア周りです。前後扉を並べてみました。
まず見て驚いたのがドアの開閉です。開き始めてから全てが戸袋に収まるまでに何度か跳ね返るので、若干時間がかかります。アテンダントが乗務している列車の無人駅で乗降が無い場合は一度開けてすぐに閉める…ので、ドアがせわしなく動いている様子をつぶさに見ることができます。なかなか…豪快です(^^;
ドアそのものは化粧板を貼った片開き扉で、側窓と同じ大きさの窓は阪神赤銅車の片開き扉とはちょっと異なる雰囲気を感じます。なぜ阪神車と比べたかというと…近くに武庫川車両の銘板があったからです(^^;;


よくツッコまれることが多い鴨居部の運賃表示機です。始発駅で撮影したので何も表示されていません(^^;;
確かに見難いです。その気になれば仕切りに設置できるのでは…と思えて仕方がありません。ただ、他の京福の車両を見ると運賃表示機をレールと平行方向に設置するケースは他形式でもみられるので、唯一無二での存在であり続けた…わけではありません。


側窓です。開閉できる1段下降窓にロールカーテンが備わった側窓、そして戸袋窓がスタンバイしていますが…この画像の中扉の手前には戸袋窓に見立てた固定窓がチラッと写っています。外観からは戸袋窓よりやや大きめの窓、車内からは戸袋が無い分桟の厚みが太く見えます。
荷棚は戸袋窓の上には設置されていないので、特に荷物が多い時は要注意です。

 
座席です。優先席は黄色いモケットで、進行方向前方左側、後方右側にかなりの長さで備えています。まず2枚は優先席の無い区画の座席で、右の画像は車椅子スペースがある分若干短めにセットされています。
そろそろ懐かしさも増してきたバケットではない座席です。座るとまず奥行きの深さに、そして座面の柔らかさにビックリ。隣の人が座るとつられて自分の座席も若干沈み込むような座席、久しく乗っていない方もおられるのではと思います。バネの効能…ともちょっと違うような気もしますが、なんかリビングソファに座っているような感じが拭えません。
座面の深さ、座席の大きさが姿勢を崩してしまいそうなケースも見かけました。故に着座ポジションを座面真ん中あたりにずらす、「足を投げ出してダラーン注意報」を出しておこうと思います。
 
優先席のある区画は左右両側に備わっていますが、他系列では類を見ない長さです。座面、背もたれの切れ目を優先席の境の目安にした可能性があります。右の画像はその部分ですが、いやはや、良い色のモケットだとつくづく思います。
定員着席の案内がないので、そこそこ混んでいても皆思い思いの位置に座っているシーンを結構見かけましたが、ロングシートの利点である「車内中ほどまで詰めて…」がうまく機能していないように感じました。普段利用しない観光客の方が恐竜博物館との企画きっぷを片手に握って乗ってくる時間帯は特に顕著で、そういう方々を車内に誘導するためのスタンションポールの設置も良いかもしれません。
スタンションポールだと思ったらじつは恐竜の手で僕と握手!みたいなサプライズへの期待も込めて(^^;;
 
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