銚子電鉄  デハ800形
 
  愛媛から千葉へ嫁いだのは1985年、このとき既に35歳が経過していたわけですが、今でも釣り掛けのモーターを響かせながら走っているのが銚子電鉄800形です。画像は外川側の表情をご覧頂いていますが、銚子側の顔は外川側とはまた異なるようです。ただ、どちらの顔もノスタルジーな雰囲気が強く漂っています。
一形式2両のデハ700形やデハ1000形とは違い、このデハ800形については1形式1両のみとなってしまっています。ただ、ワンマン化改造を受けており、かつては客車を引っ張る牽引車としての役割も担っていたことから、今も昔も性能の高さは十分買われているようです。
銚子電鉄活性化のもと特別塗装が増えている中、果たしてこの車両はどこまでこの装いが保てるのでしょうか。
(取材・撮影 銚子電鉄線・犬吠〜外川)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。早くも外観とイメージが合致するような、ホンモノのレトロな設備に目が釘付けになってしまいそうです。3ドアロングシートの車内です。
非冷房車のため、高い天井とそこからぶら下がった行灯?提灯?が気になる所ですが、後者は夏祭りに合わせての設置のようです。従ってそれを抜きにして考えれば・・・やはり、私鉄のみならず旧型国電を日常の足としていた方には色々な思い出が蘇ってくるのではないでしょうか。


ちょっと前に進んで銚子よりの運転台周りです。乗務員室は半室構造になっており、この構造自体珍しい物になってしまいました。なお、乗務員室脇の空間については立ち入らないで欲しいというシールが貼られていたり、簡易なバーで区切られていました。
前面の顔については両端それぞれ違うということでご案内しましたが、仕切りなどについてはほぼ同じような作りになっていました。外川側の乗務員室も勿論半室構造です。

ワンマン対応車ということで整理券発行機や運賃箱も備えています。その傍らにはメロンとぬれ煎餅の箱もしっかり完備(^^;; 整理券発行機はオレンジ色が全国的なブームになりつつありますが、ここは周りに配慮したのでしょうか、かなり抑えめの銀色です。


天井です。緩いカーブがつけられ、これまた良い雰囲気の扇風機と所々にある蛍光灯が適度に照らしてくれます。この車両に冷房はありません、冷房がないからこそこの天井が得られたんです・・・とは、2008年で気温が落ちきった夏の日に乗車したものの弁です(^^;

祭りの飾りは天井から直接ぶら下がっており、そのための金具も常についています。その金具からまた何かアイデアが生まれそうな気がしますが・・・シンプルに何もしないのもそれはそれで良いと思います。


羽が大きく、カバーのデザインもちょっぴり面白い扇風機。一括制御になっています。
一番銚子寄りの扇風機は羽根とカバーが取り外されていましたが、さすがに故障時の代替品ストックは厳しくなってきてしまったのでしょうか・・・。


床です。足元の木目調の感触、自分のような観光客目線では既に「非日常」を感じさせてくれるベストアイテムです。擬似的ではなく、ホンモノの質感が楽しめるからこその「レトロ」なんだなぁと痛感してしまいました。


側扉も塗りドアで、周りの雰囲気にしっかり合っています。ワンマン運転時における無人駅の乗り降りは先頭のドアのみとなります。なかなか豪快に開く姿も注目ですが、やはりこの一体感、そして鴨居部の見事な収まり具合は見ていてスッキリします。


窓周りです。窓そのものは角張っており、戸袋窓以外の部分は開閉も可能です。惜しむべくは窓に貼られた広告の多さ。私企業であるが故に利益の確保が大事なのは理解できますが・・・窓にある景色をさしおいて写真を見せるというのはちょっとなぁ・・・。
荷棚や周りのベージュの色合いはお見事!というコトバに尽きます。


最後に座席です。全てドア〜ドア間のロングシートのみになります。
ちょっと経たってしまった座席からは座り心地を通り越してダイレクトな乗り心地が伝わってきます。全区間乗り通しても全然苦にならないような気がしたのは恐らく乗車時間そのものが短いからでしょう。タイムスリップにはうってつけの時間だと思います。

尤も、自分のような人間はちょっと無骨な袖仕切りと紺のモケットのハーモニーで聞き応え十分、お腹一杯になってしまいそうです。運用に就くかどうかは運次第という感じですがが、都心から短時間でここまで良い雰囲気を堪能できるということに対して、実に恵まれているなぁと思いました。この恵み、いつまでもその場所にあるといいなぁ・・・。

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