富山地方鉄道  7000形[レトロ電車]
 
  塗り分けは往年の富山地鉄市内電車のようにも見えますが、どうもこの車両を「レトロ電車」と呼ぶのに抵抗があります。同じ時を歩んだ「古い」車両が何台も活躍する中で、懐かしさを求めてリニューアル…というよりも、デザイナーが格好良くデザインした車両をたまたまわかりやすい言葉で置き換えると「レトロ」がしっくりきただけなのでは、と思うのです。代わりに言うのであれば「レトロフューチャートレイン」…あれ、やっぱりレトロって言葉使ってる(^^;;;
土休日ダイヤについては固定運用で、平日運用は他車に混ざって通常運用に就いています。朝のラッシュ時も問答無用に運用に就きます。外観からも想像のとおり水戸岡鋭治先生の作品ですが、岡山電気軌道の時のような衝撃的な外観には仕上げず、おとなしい外観になっている点がポイントです。もうあの頃の外観には飽きたのでしょうか…?
(取材・撮影 富山地方鉄道市内軌道線・南富山〜大学前)

 

 

 


車内全景です。懐かしいのは天井の白熱灯と床のフローリングぐらいで…あとは元々の車両の設備をそのまま使っているところと、デザイナーの木へのこだわりがこの車両の成分です(^^;;; 2ドア前中扉は他車と同じで、使い勝手が変わらないのがポイントです。
白熱灯の電球色が良い味出していますが、冷房車にそのまま取り付けたのは初めてではないでしょうか。そして、この白熱灯は他の車両から持ってきたとか…工場での予備品か、それとも…?!

路面電車として考えた時に、テーブルよりも吊革が外側に設置されていたり、視覚上通路がどうしても狭く見えたり、構造上通勤ラッシュには耐えにくくなっているにも関わらず、朝7時に満員で南富山駅を発車していくレトロ電車…デザイナーが通勤需要を見落としたか、予備車が無いのか、無茶しているなーという印象です。

 
乗務員室との仕切りです。広告枠がなくなって木目柄の仕切りが設置されました。左上には「とまります」の電照板が改めてつきましたが、レトロさを追求するならこのフォントじゃないんだようなーと、ぶつくさ(^^;;;
ユニークなのが右側の丸窓に見える仕切りで、特にガラスがはまっているわけではありません。他車でも衝立がある部分なので水戸岡さんの遊びが入った部分にもなります。こういう子供が喜びそうな小さい仕掛け作りはうまいのはわかります、でもその穴から大きなお友達が「ちょっと〜運転手さ〜ん…」なんて話しかける妄想…シュールです。

 
冷房装置はそのままに、広告枠が撤去された天井です。白熱灯の温かみがポイントで、正直カバーのロゴマークは不要です。ロゴを入れるなら縁に入れた方が格好良かったのではないでしょうか。蛍光灯の灯具もすべて撤去されており、正直この配線引き直しには結構力を入れているのではないでしょうか?
本気のレトロな雰囲気を天井周りで追及するのであれば、高岡から万葉線をぜひ。あちらには非冷房車にカバーつき蛍光灯という車両が少数ながら現存しています。夏場は本気で汗かきながら懐かしい雰囲気を満喫できます。レトロはこうでなくっちゃ。


床です。早い時期にリノリウムの床に移行した地鉄だけに、懐かしいと感じる世代はかなり上の年齢になるのではないでしょうか。そして、このフローリングの組み方はデザイナー独特のもので、おそらく線路と垂直方向に入るフローリング、いや、木はそこまで多くなかったと思います。
ドア部分のステップ、補助ステップの存在と床の斜め具合にも要注目です。

 
鋼製の片開き扉、周りの色に合わせてクリーム色のドアになっています。縦長の握り棒もクリーム色に塗られていますが、こちらはさすがに少し塗装が?がれている部分もチラリ見えます。車掌スペースもそのまま残っています。
出口のフォントなどは水戸岡先生っぽい雰囲気に切り替わっていますが、他の車両と同じという部分では利用者としてはなかなか安心するのではないでしょうか。


いわゆるバス窓スタイルの側窓です。小さな降車ボタンには特に装飾は施していません。このボタンを木にすればもっとお洒落なのに…と思うのは加工技術を知らないおじさんの戯言です。
ロールカーテンの生地も張り替えられており、ピンと張った姿は見ていて爽快です。ただ、生地が暗いので昼間は周りの雰囲気がガラッと変わってしまいます。座席とのバランスは良いかもしれませんが…大胆です。

 
水戸岡クオリティが炸裂した座席です。ドア〜ドア間は8人掛け、ドア〜車端部が4人掛けです。もともと座面浅め、背もたれも壁に引っ付いたようなスタイルのためなんとも言えない座席だったのですが、その座席を木を使ってリニューアル…なんていうか、定番の展開に定番のオチ、トムとジェリーじゃないんだから…と呆れて物が言えてしまいます。
座面は従来の車両よりも高めかつ薄目、奥行きは若干浅めになりました。背もたれは腰を支えるには出っ張りが硬めで天然素材のリクライニングも効きません。座面のポジションと足元の狭さ、揺れる車内…もうスリリングとしか言いようがありません。おまけに背もたれの裏は埃がたまるゾーン…なんかもう、モケットの楽しい種類しか褒める部分がありません。あ、いつもの事か(殴

 
揺れる車内では座っている人の支えとして重宝するテーブルです。しかし、折り畳みではないテーブルもいたりするあたり、京都のタンゴのあたりでも感じた無計画さがチラリ…。加えて吊革との位置関係、着席時の足元の狭さ、立席スペースの狭さ、降車時の不意の衝突…通勤需要を考慮しなければいけない路面電車の車内ではいらない…というのが正直なところです。あれば揺れる車内の支えになるのですが、だったらひじ掛けが欲しいっす。
現状の使い方をするのであれば、取り外しができたり、片側だけの設置にしたり、全て折り畳みのテーブルにしたり、折り畳み時に握れるような簡単な窪みをつけたり…もう一工夫して欲しかったです。


新しくなった富山駅。レトロフューチャーな車内からすぐに新幹線の改札が見える醍醐味。せっかくリニューアルしたのですから…この車両は身近な乗り物の目玉車両としてもうちょっと特別な扱いを期待したいところです。
 
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