富山地方鉄道  クハ175形
 
  旅に出ると知らない土地の朝ラッシュにしばしば呆然としてしまうことがあります。富山でも南富山駅でポカーンとした記憶があります。
そんな富山の朝ラッシュを支えるのがクハ175形です。
14760形と同時期に増備されたこの車両、モーターやパンタグラフはついていませんが…当初から「増結車」だったとのことで、役割を全うしようとしている点にただただ驚くばかりです…。旧型の非冷房車の増結運用に就いた時には冷房装置がこの車両だけでも効くようにしていたという話も増結車ならではです。
現在は14760形の増結車両としてラッシュ時を中心に活躍していますが、運賃箱や整理券発行機も備えているあたり、もしかして、もしかして…?!という妄想を一人かき立てています。…1両では動けないし、2両で組むとある大変な問題が生じるので…やはり増結用が適役です。
(取材・撮影 富山地方鉄道上滝線・電鉄富山 他)

 

 

 


早くも胸騒ぎがする車内全景です。富山地鉄では他系列でも見られたドア〜ドア間がクロスシート、ドア〜車端部がロングシートです。転換クロスシートを備え、特急運用でも十分通用する凛とした姿を崩していません。そう、ロングシートの背もたれに取り付けられたビニールレザーのカバーもその1つです。
画像は乗務員室の仕切り側から撮った画像ですが、整理券発行機は前後の扉どちらも2か所ずつ設置しています。ICカードのリーダーも設置していることもあり、左右前後どこからでもかかってこい!という姿勢が好感持てます。


電鉄富山で撮り損ね他の駅で撮影した乗務員室との仕切りです。朝の眩しい光が差し込む車内ですが、大きな側窓、大きな仕切り窓、前面窓も大きくとられたこの姿、なかなかダイナミックな光景です。
運賃箱が設置されていますが、その両脇にロングシートが残っている点は特筆すべき事柄です。この部分がクロスシートだったら…恐らくこの車両も「広場」になっていたことでしょう。


胸騒ぎの原因がこちらの車端部です。なんということでしょう、車内から湘南顔が覗いているではありませんか。そう、ここには貫通路も貫通扉もありません。
固定の2連窓と握り棒が行く手をふさいでいます。そこに貫通路も貫通扉もありません。元々貫通扉を用いても連結相手が非貫通顔なので、現実的な選択…でしょう。そうそう、窓の下の蓋が妙に気になりますが、貫通路を作るとしたらこれくらいの幅に落ち着いたはずです。それにしても…この妻面から車両の「顔」が覗くスタイル、乗車中も気になって気になって仕方がありませんでした(^^;;


天井です。ドア〜車端部には丸い吊革がスタンバイしていますが、ドア〜ドア間にはそれがありません。セミクロスシートの吊革配置をそのまま踏襲した格好ですが、全国的に年々これを継承する車両が少なくなりつつあります。両脇に冷房の吹き出し口、その脇にはカバーつきの蛍光灯がスタンバイ。このカバーつき蛍光灯にハイグレードな香りが漂いますが、14760形と同じ仕様で整えています。


ちょっとお疲れ気味の床はベージュ1色です。これがまた蘇芳色のモケットとよくマッチしています。


これまた摩訶不思議なドアです。14760形はドア窓の隅に丸みを帯びているのですが、この形式に限っては窓がカクカク…ただ、外から見ると僅かに丸みがかっていて、車内からも隅にちょっと外板の丸みがコンニチハ…こんな扉、他では見たことがないです…。
窓の上は擦れた跡で、バンクシーが紙飛行機を描いたわけではありません。ドアの開閉はあまり気になるようなことはありませんでした。

 
ドア〜車端部のロングシートです。前後どちらも6人掛けで、着席区分をビニールレザーカバーで示すという実にお洒落な仕様です。昔ながらのバネのバウンドが愉しめる座面のロングシートで、奥行きもまずまずです。袖仕切りは化粧板つきのもので、周りの輪郭を握り棒くらいの太さでグルッと囲んでいる独特な意匠です。これはもしや…化粧板だけ後付けの可能性、あるのでは…とついつい思ってしまいます。なんてったって富山が誇る稲荷町の手にかかれば…ニヤリ。
座面下のヒーターカバーもいかにも1981年生まれのような形状で、あまり古さを感じさせません。


ドア〜ドア間の転換クロスシートです。片側8列ずつの設置で、両端は固定クロスシートになります。つり革が無い区画にはなりますが、手すりの形状が独特で、背もたれも握りやすいように切り欠きがされています。ただ、これは14760形と同じ物を使用しており、この車両独特のものではありません。

 
ドア〜ドア間の転換クロスシートと車端部の固定クロスシートです。固定クロスシートはヘッドレスト部分に厚みを設けていますが、転換クロスシートも厚みは違えどヘッドレストの下でキュッと絞っている様子がわかります。ヘッドレストカバーはこちらにもつけています。
厚みがある背もたれは2人座ると沈み込みの応酬に背もたれがついていけるかどうかが心配ですが、1人で座る分にはフワッとした背もたれはなかなか気持ちが良いです。14760形よりも少し背もたれに厚みがあるように見えるのは気のせいだと思います。
肘掛けは14760形と同じもので、固定クロスシートも同じひじ掛けを用いています。そう、どこかで見たことがありそうな形状です。


それにしても、これには驚きました…。
 
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