富山地方鉄道  16010形
 
  富山地方鉄道といえば自社発注車がお馴染みですが、京阪、西武などから魅力あふれる車両もラインナップに加わっています。最近は元東急の車両が特急に入るという早口言葉で早々に濁したい事態もみられるそうですが(^^;特急運用にはこの顔、16010形です。
正面に西武鉄道の社紋が入らない姿もすっかりお馴染みになりましたが、1995年から96年にかけて3両編成2本が稲荷町までやって来ました。現在はワンマン化を経て1編成が「アルプスエキスプレス」に改造された他、中間車の1両が廃車されています。
外観の画像はアルプスエキスプレス前夜の第2編成ですが、今回は第1編成の2012年頃の様子を中心にお届けします。ニューレッドアロー投入後の去就が気になるお年頃ですが、いつかきっと実現して欲しいLaviewの地鉄デビューまでは華やかに活躍して欲しいものです…(^^;
(取材・撮影 富山地方鉄道本線・電鉄富山〜宇奈月温泉)

 

 

 


車内全景です。デッキが撤去されていますが、客室内の床や天井、座席あたりには西武時代の面影が見られるのでは…と思います。モケットも西武時代の晩年のものから変更されていますが、同じような色のモケットを引き続き使用しています。それだけにデッキとの仕切り扉が撤去されてしまったのが残念ですし、仕切り扉があった時代に巡り合えなかった取材班は横瀬の「最後の1両」の御開帳に期待するわけですが…。

 
乗務員室との仕切りです。右の画像は2011年頃の第2編成です。たまたまなのかもしれませんが、運賃箱の変更とともに運賃表示機が液晶ディスプレイからLED等を多用したものに先祖返りしています(^^;; 他の車両に合わせたのでしょうか。液晶ディスプレイ脇の黄色と黒のシマシマも見納めになってしまいました。
運賃箱を固定して設置した関係で動線の確保が大変で、座席を左右2席ずつ撤去して、荷棚を上下逆にして(^^;; 立席スペースを確保しています。この改造は初めて見ました(^^;;;; その手前の座席は向きが固定だった記憶があるのですが…忘れました(^^;;;
仕切り窓の額縁っぽさはアルプスエキスプレス以上だなぁ…と思うところもあり、西武時代からは趣きを一新しています。

 
車端部の様子です。西武鉄道時代はトイレなどがあったスペースですが、富山地方鉄道では客室に改造、1両は立席スペースに自動販売機を設置しています。もう1両は今でこそ座席を設置していますが、かつては立席スペースだったようで、妻面を見渡すと吊革があったであろう跡を見ることができます。また、この区画は荷棚が無く、床も立席スペースと同じ赤い床のままですが、座席番号も振られ、横引きカーテンも備えるなど、客室としての空間を整えています。稲荷町の底力をひしひしと感じます。
妻面、貫通扉は特段設けられていません。

 
立席スペースです。固定窓を設けて低い位置に握り棒を設けています。その下にヒーターの出っ張りもありますが、ちょうど窓を背に寄っかかりやすい位置に握り棒を設けたのはたまたまでしょうか…。
右の画像は第2編成の2011年ごろの様子で、ゴミ箱の穴が二つになっています(^^;;;


2021年9月ごろ自販機が撤去され、その後復活するかどうかが気になっている自動販売機のある区画です。ベースは立席スペースと同じですが、こちらは吊革が1本だけ…なんだかシュールな構成です(^^;; かつては他の車両にも自動販売機があったようですが、地鉄では最後の1台だったはずです。


天井周りです。カバーつきの蛍光灯を中央に1列ドーンと配置しています。関西の特急車であればこれに加えて窓側、荷棚の下にも照明を配置しそうですが、16010形の照明はこれでおしまい、潔いスタイルです。その両側に冷房の吹き出し口やスピーカーが点在する構成は西武鉄道時代の武骨さひしひしと感じさせます。
車端部は中央の蛍光灯の幅が細くなります(^^;;


床は座席部分と通路部分で色を変えています。画像は座席を撤去した区画ですが、地鉄に乗っているとこのくらいでは驚かなくなってしまいます(個人差はあります(^^;;; )

 
アイボリーの塗りドアが美しいドア周りです。西武時代から「近鉄を参考に取り入れた」とか「ここは失敗だった」などと言われる折戸を見ることができます。右の画像は液晶ディスプレイ時代の乗務員室背後のドアで、やたら目立つ運賃箱が動線を通せんぼしているようにも見えます。鴨居部には路線図を掲げている区画もありますが、鴨居部の幅に合わせて2パターン作っています(^^;
右の画像、ガラスに貼られた「乗降口」は第2編成乗務員室背後のドアでしか見たことがありませんが、他の車両にもついていたのでしょうか…。第1編成やアルプスエキスプレスでは見かけません。


固定窓がズラッと並ぶ窓周り、横引カーテンの荒々しい感じはもう少し何とかならないものでしょうか(^^;
帽子掛け、座席番号プレート、窓際のテーブルも健在です。
 
テーブルですが、第1編成では天板の化粧板の模様違いで2種類あります。第2編成の改造前は左の画像の白い化粧板のテーブルだったので、この差がどこ生じたかは気になるところです…。
センヌキは地鉄・西武のみならず往年の北陸本線の列車まで思い出しそうなアイテムです。

 
4席中僅か1席だけリクライニングする車端部の4人1組のクロスシートです。右の画像は第2編成の在りし日の姿で、さすがに壁に接する面のフットレストや網ポケットは撤去していましたが、壁に設置しない面にあったバータイプのフットレストはそのまま残していました。現存する第1編成はフットレストはありません。
空間に合わせる格好で設置したようで、妻面の貫通路よりも座席が僅かにはみ出しています。リクライニングできないのも座席をピタッと壁につけたからで、足元の空間の確保を優先した結果でもあります。

 
ソデ体内側に変更前のモケットが残っているリクライニングシートです。左の画像は第1編成、フットレストがありません。右の画像はバータイプのフットレストが残っていた第2編成の座席です。2編成でリクライニング角度に差がありますが、感覚は総じてリクライニング角度浅めです。
小糸製作所のRS-271-4自在腰掛です。ソデ体を見るとR53あたりにソックリですが、背もたれが若干低めで独特な雰囲気も感じます。2012年に乗車した時は座面と背もたれのハーモニーが見事で、特に座面の程良い柔らかさがお気に入りの寛げる座席でしたが…気が付いたら最後のテイスティングから10年が経過しました。お元気ですかぁ…?
 
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