富山地方鉄道  14760形[クロスシート車]
 
  富山地方鉄道といえばこの顔、この塗装です。
昭和54年に増備がはじめられた富山地鉄オリジナル車で、現在も特急運用などでの活躍もみられます。
近年は特急運用にも就くことが多いことから、登場時ロングシートだった車端部をクロスシートに改造した車両も増えています。今回はそんなクロスシートに改造した編成の模様をお送りします。クロスシート改造車ということで特別扱いしていそうにも思えますが、外観上塗装などでは見分けがつきません。また、特に運用が固定されているようにも思えません。登場時から変わらない車端部がロングシートの編成もまだ在籍していたり、車端部が若干豪華になった編成も在籍したり、今が旬!と思えるくらいバリエーションに富む形式へと成長しています。
(取材・撮影 富山地方鉄道立山線・立山他)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。画像は座席モケットが茶色っぽく映っていますが、実際はこの画像よりも赤いモケットが使用されています。2ドア18m車でこの編成のウリが「全席クロスシート」ということになります。転換クロスシートが主で端のみ固定クロスシートという布陣で、4人1組でセットされた状態で発車待ちをしている状態を多く見かけました。
登場したのが昭和50年代中盤。当時は格好良く見えた車内も今は質素なイメージが先行してしまいます。それでも座席と天井の蛍光灯カバーが車両の格をググッと上げています。

 
さて、富山地方鉄道では2012年3月から鉄道線にも「えこまいか」を導入し、運賃箱の更新を進めています。それに伴い乗務員室後ろの座席が撤去され、立席スペースが拡大している車両が目立っています。この車両も元々座席があったと思われる足の跡が生々しく残った床を見ることができます。
JR西日本の車両で良く見かける運賃箱「広場」ですが、乗務員室との距離を長めにとったため降車時の動線はあまり複雑になっていません。ただ、JR西日本の車両で見られるような運賃箱と乗務員室の間に乗客が立ち入れないような柵がありません。混雑時間帯の運賃収受に若干不安を感じる一方、その部分でさえも客室にしてしまうサービス精神は特に荷物の多い登山客や観光客には嬉しい配慮です。


車端部の様子です。優先座席などは無いので2両とも同じスタイルになります。早速ちょっと違う座席にトキめく方もいらっしゃるのではないでしょうか。富山なのでトキよりも「きときと」でしょうか?
妻面にはかつて広告枠があったのでしょう、日に焼けていない壁がよく目立ちます。その間に挟まれた貫通扉は開けっ放しになるように金具で固定されています。ワンマン運転対策の開けっ放しになりますが、その上には更なるワンマン運転対策として巣箱のような監視カメラが設置されています。


天井はフラットで、カバーつきの蛍光灯の内側に冷房の吹き出し口が設置されています。昭和50年代中盤の技術を見事に活かした天井ですが、ラインデリアが無いという点も含めてやや古い印象を受けてしまいます。

床に至ってはさらに改造の跡が残っており、車端部にアイボリー柄の床が展開しています。薄い茶色の床はドア〜ドア間に残っており、なんだか居間とキッチンの床関係に似た展開になっています。


側ドアです。片開きドアは14670形すべての車両で共通で、このあたりも日本車両が昭和30年代から作っていた「18m2ドア車」の系譜をそのまま引き継いでいる点が伺えます。整理券発行機は新しい黒い物が各車両車端部寄りのドアに設置されており、ワンマン運転の場合は後ろの車両のドアが開きません。だからというわけではありませんが、このドアの開閉音はあまり気になりません。

手すりがドアの周りだけでなく、戸袋窓の周りにも縦横ニョキっと設置されている点がポイントです。特に戸袋窓とドアの間にある握り棒はドアよりも高い位置からスタートしており、なかなか存在感があります。


側窓です。2段窓は今となっては少し小さく見えてしまいます。テーブルこそ無いものの、座席番号を示すプレートや帽子掛けなど優等列車のマストアイテムはしっかり備えています。


ここからは座席、まずはドア〜ドア間です。車端部を固定クロスシートにして中間に転換クロスシートを配置しています。4人1組の組み合わせが左右4組ずつできる格好です。ドア〜ドア間の側窓は全て開閉可能な2段窓なので見た目的にもキレイな配置になります。
素っ気ない背面や肘掛とは対照的に大きく円を描いた取っ手が独特です。
 
転換クロスシートを左側に、固定クロスシートを右側にそれぞれ並べてみました。
座面下ヒーターの斜めの切欠きや取っ手部分の背もたれのカットなどは名鉄電車でもありそうなシチュエーションですが、なかなか類似品を見たことがありません。画像はどちらも茶系に見えますが、これよりも赤い座席モケットに仕上がっています。
座り心地は座面の柔らかさに対して背もたれの反応が今一つですが、後述する車端部の転換クロスシートに比べればよく整備されている印象を受けました。


座面下がオリジナル仕様の車端部クロスシート3点セットです。手前から順に...
「ドアコックも含めたものの転換クロスシートをなんとか固定してみたクロスシート」
「取っ手がドア〜ドア間の座席と明らかに異なる転換クロスシート」
「妻面の貫通路に肘掛がはみ出しちゃったクロスシート」
以上3兄弟で構成されています。

 
いつもの斜めポジションから撮影しました。左の画像がドアに近い固定クロスシート、右の画像が中間点の転換クロスシートです。細かいところまで探ると、ドア〜ドア間の座席とは肘掛とモケットくらいしか違いが見当たりません。座面自体はだいぶへたってしまっているものの、実は片持ち式というクオリティに富山地方鉄道の技術力の高さを感じます。
その座面下の土台部分。床を低く這う配管によって土台どうしつながっています。かつてロングシートが設置されていた時の配管の名残かもしれませんが、座ると見た目以上に足の置き場が中途半端で鬱陶しさを感じます(^^;;

一方、妻面のクロスシートにはその配管が通っていません。つまり、この座席の下に暖かい空気は…?!今はしっかり固定されていますが、元々転換クロスシートだったことは背もたれ奥の転換機構が物語っています。
肘掛は別物として、座面と背もたれは元京阪3000系、すなわち富山地鉄10030形と同じ部品ではないかと思われます。であるならば、あちらには車端部用のクロスシートがあったはずですが…なぜ使わなかったのでしょう?


ところで、この座席のちょっと手前に別の座席跡が床に残っているのが見えると思います。窓側の跡はロングシートの跡かな?と推測できるからさほど問題はありませんが、なんとまぁ、通路側にもさりげなくクロスシートと思しき跡が残っているではないですか。このクロスシート以前に別のクロスシートが設置されていた可能性が高く、そうするとこの車両における車端部の変遷が如何なるものか、全くわからなくなってしまいます…。


ま、堅苦しいことは置いといて、ローレル賞の銘板と駅数が多くて見ていて楽しい運賃表示機を見ながら終わりにしようと思います。ローレル賞の銘板は同系列の他車両でも何回か見ました(^^; あまり珍しくないものなのかもしれません。
 
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