筑豊電気鉄道  3000形
 
  平成元年から製造されている筑豊電気鉄道の主力車両です。冷房化に伴い車体の新造をした格好で、いざ走り出すと吊り掛け駆動の音色が車内全体に響き渡る若干アンバランスな車両です(^^;;
後期車は車椅子スペースや折り畳み椅子も設置されているようですが、このページでは前期車を中心に取り上げます。外観上の相違は特に無く、製造年に関係なくラッピング車の存在がやたら目立ちます。近年はnimocaを導入し、運賃箱の設置や乗降方法の変更などが行われました。しばらく乗っていない方はより路面電車っぽくなった近年の姿に驚くかもしれません。それでも車掌さんが乗務していて、キビキビと車内を駆け巡る姿は筑豊電気鉄道ならでは。これからもこの連係プレーは大事にして欲しいものです。
(取材・撮影 筑豊電気鉄道線・黒崎駅前〜筑豊仲間)

 

 

 


車内全景です。手前左側が車掌ブースで、車端部を境に左右対称になるような構成です。ロングシートでドアは変則配置です。車体幅、車体長、経緯などを含めても路面電車をそのまま郊外電車に持って行ったような格好で、なるほど昭和60年代から平成一ケタ世代、つまりノンステップ車両誕生前夜の路面電車の雰囲気がかなり出ています。製造数が少ないのでなかなかお目にかかることは少ないのですが、広電あたりに紛れていても何ら違和感が無いパッケージです。
 

運賃箱と運賃表示機が設置された乗務員室の仕切りです。車体幅に余裕があるせいか、他地方の路面電車よりも余裕があるような構成です。また、小さめのゴミ箱があるのもユニークですが、消火器がしっかり枠の中に収まっている点はポイント高いです。
かつては運賃表示機のあたりにテレビが!テレビが!!設置されていた車両もあったようで、今はもう随分地味でつまらない数字プログラムになってしまいました…。


車端部です。車両間の通り抜けや種車の関係で中央にサークルができています。2000形では幌の垂れ具合が魅力的ですが、この3000形ではキリッと決まっています。故に2両の車内が一体的に見えます。尤も私的にはもう少しキノコのようなスタイルの方が好みで、この形状だと栄養ドリンク「タフ○ン」のロゴマークくらいの形状でしょうか(^^;;


天井です。嬉しい冷房装置はフラットな天井とともに吹き出し口はスポットです。車体高も路面電車よりも若干余裕があるようで、中吊り広告が頭にぶつかることはありません。
ちょっと珍しいのが吊革の形状で、取っ手と広告枠が一体のように見えて実は別々のパーツです。かつてはこの枠にピッタリ収まるように広告を入れていたようですが、今の吊革広告は枠自体をグルッと覆うスタイルで広告主を募っているようです。


床です。全体にわたって滑り止め加工がしてあるもので、こすれてしまいその効能が怪しい今日この頃です(^^;; 台車近辺の点検蓋の存在感も見ものです。

 
ドアです。左右3ヶ所ずつあるドアは全て折り戸です。そのうち、前後にあるドアが2枚折り戸、真ん中にあるドアが4枚折り戸になります。2枚折り戸にしたのはスペースの関係、車掌ブースの関係が大きいと思われます。
ドア窓は桟に当たる部分を直角にしてあたかも一つの大きな窓に見せる加工を施したもので、鉄道業界ではあまり流行りませんでした。今風の言葉で言えばドア窓界の意識高い系です。

4枚折り戸もこの通り、2枚の大きな窓に見せようとしています。降り口の矢印が示す通り、乗る時は4枚折り戸から、降りる時は2枚折り戸から…を覚えておくとキョロキョロしなくても済みそうです(^^;;
右手が利き手の人が多い中で、整理券発行機を左手で取るポジションに配置したのが興味深いです。福岡では左利きが多いのでしょうか?整理券発行機の位置が低めなのはnimocaのカードリーダーの位置を優先したからでしょうか。


下は固定窓、上は横引きの開閉窓です。いわゆる逆T字窓です。このあたりも四隅は丸みを帯びていますが、名鉄電車ほど車内から手に取るようにわかる丸みではありません。

 
座席です。乗務員室側の座席からご覧いただきます。座面はやや高めのポジションで柔らかい仕様、背もたれは薄いタイプです。車掌ブース用の衝立にもクッションが備わっています。乗務員室のすぐ後ろ、進行方向左側の座席は優先席に指定されています。出口に近くて運転士からは良く見える位置です。他の座席はモケットを茶色で、特に着席区分などはありません。袖仕切りはあっさりフレームで、特に覆いなどはありません。

 
車端部側の座席です。整理券発行機が思いっきり写り込んでいますが、特に座り心地には影響ありません。奥行き浅めの座席はまさに路面電車仕様ですが、乗り心地はしっかりしたものなので飛び跳ねるような疲労感はありません。
荷棚が無い分少し座席周りに余裕が欲しいところですが、袖仕切りの脇に荷物を置くことはできません。


黄色いピクトグラムが猿に見えそうな件…きっと私だけの思い込みですよね、そうですよね…
この柄、茶色との相性は別にして結構素敵だと思います。
 
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