秩父鉄道  5000系
 
  都営地下鉄三田線からやってきたのが1999年のこと。すっかり秩父鉄道の活躍が板についた感じがする5000系です。ただ…最近ラッピングやヘッドマークは他の系列で取り付けられることが多く、どちらかというと少数派の地味な印象は拭えなくなりつつあり…(^^;;
3両編成、4ドアの通勤車は基本的に各駅停車の運用に就きます。急行秩父路の代走ができるように方向幕には「急行」が入っていますが、それとてもう何年も見ていないような気がします…。
ただ、通勤通学の足としては全線でバリバリ活躍しているのも事実で、時に地下鉄時代の雰囲気を思い出すような混雑を見せることも。武骨なステンレスボディに西日が当たるトワイライトタイムの格好良さも、夜の入庫の輝きもこのコルゲート板があるからこそ。また急行秩父路での本気の走りを見たいものですが…果たして…
(取材・撮影 秩父鉄道秩父本線・大野原〜三峰口)

 

 

 


車内全景です。中間車から羽生方先頭車を見ています。
4ドアロングシート、実に直線的な車内はきっと「小学生の頃に描いた電車の車内」の絵に一番近い仕上がりではないかと思います。私的には吊革の支持方法、そして袖仕切りから天井に伸びる手すりが印象的です。
冷房改造は東京都交通局時代に行われ、その際に床や化粧板を一新しています。深緑の座席が印象的ですが、交換したと思われる色の違いもチラリ…


乗務員室との仕切りです。羽生方、三峰口方とも同じ仕切りで、ワンマン運転は都市型のため、運賃箱などはありません。
103系低運転台車でも見られた「戸袋部分まで立席スペース」としていますが、首都圏ではこの構成はすっかり珍しくなってしまいました。その先の仕切りはやはりカクカクした窓が3枚並んでいます。仕切り扉に貼られたステッカーは「走行中は運転士に話しかけないで下さい」と書かれています。

 
左の画像、中間車の三峰口方車端部には貫通扉が設けられています。右の画像は三峰口方の先頭車車端部ですが、貫通扉は中間車のみの設置になるため、左右とも妻窓は開閉ができます。扉開閉の機構が無いからか、中間車にはあった妻窓下の出っ張りが先頭車にはありません。貫通扉の窓の位置がセンターからちょっと右寄りなのはご愛敬、先頭車の化粧板の貼り方がいかにも貫通路を後から狭くしました!というように見えるのもご愛敬です(^^;;


幅広、貫通扉が無い車端部もあります。中間車の羽生方の車端部を取り上げますが、反対側の羽生方先頭車の車端部は消火器ケースがないくらいで、後は優先席の配置を含めて同じです。
その消火器ケースの文字がすごいキュートで、実際に乗って頂いた時にチェックしていただきたいところの一つです。また、優先席の吊革が黄色い物になっていますが、これは秩父鉄道着任後の数少ない変化ポイントになります。吊革は元々広告枠と一体になったものを用いており、2010年の時も一部の車両(編成でないところがミソ(^^;; )で見られましたが、2020年6月に乗車した2編成ではいずれも白い丸、もしくは黄色い三角の手掛けのものでした。


冷房のダクトが物々しい天井です。冷房化改造された天井を引き続き使用しています。また、中央にはラインフローファンがどどんと。蛍光灯までの配置を含めると結構賑やかな装いになっています。1000系の非冷房車、7500系のなぜか冷房を外してしまった区画のようなハズレ席は無さそうです。


床はベージュ一色。点検蓋がこれまた時代を感じさせるアイテムです。

 
ドア周りです。こちらもカクカクした窓が印象的なドアで、窓下の取っ手がなかなか素敵な意匠です。ステンレスの無塗装で、結構豪快な開け閉めだった記憶があります。鴨居部の路線図は2010年からの10年間のどこかで作り替えています。ソシオ流通センター駅開業のタイミングかもしれません。
秩父鉄道といえば一部の駅のドアカットですが、多くのドアで「開かない」ご案内をしています。しかしそのご案内自体がくたびれてきてしまっているようで…(^^; ドアステッカーもくたびれているものがかなり多く、収集家の方は難儀しそうです。

真冬は半自動ドア扱いになり、手で取っ手を握って開け閉めするそうですが…今度、チャレンジしてみたいと思います。
果たしてキハ47形よりも重たいかどうか、乞うご期待?!


窓周りです。カクカクした側窓に戸袋窓が登場します。都営三田線時代、最後の2編成は戸袋窓が埋まった状態で登場しましたが、譲渡されたのはその前に製造された車両になり、どの車両も戸袋窓は健在です。側窓は上下とも開き、青いロールカーテンが備わっています。個々の窓がここまで離れた車両もすっかり珍しくなりました。(口癖のようにそればっかり言っていますね…(^^;; )


ドア〜ドア間7人掛けのロングシートです。モケットの張り替えは部分部分で行っているようで、なるべくモケットの色が整っている座席をチョイスしました。
鮮やかな緑色のモケットですが、触り心地に阪急のアンゴラさんのような深みはありません(^^;;; バネの効いた座席は座面のみ3人・4人で区分されています。東急譲渡車の座席がいわゆる第一印象で「硬い」なか、結構沈み込んでくれる5000系の座席、特に乗り換えた時のギャップには驚くと思います。

 
車端部は4人掛けのロングシートです。貫通扉がある車端部のロングシートも機器スペースを妻面に設けた分座席をドア側にずらし、同じ4人掛けを確保しています。定員どおり4人で座ると窮屈からか、着席の跡をみると両端の席に加え真ん中のポジションに座るケースが多いようで、ゆったり座りたい気持ちもわかります。
妻窓の位置がちょうど座ると右肩の斜め後ろのあたりにくる格好で、当たったらヒンヤリですし、定員着席の啓発も特段無いようですし…正直、冬はちょっと寒そうなポジションです。


消火器ケースがかわいいけどちょっと出っ張っていませんか?とつい声を荒げて言いたくなってしまう優先席、こちらも4人掛けです。首都圏の私鉄で採用されている優先席ステッカーの他、縦長の優先席ステッカーも破れながら健在です(^^;
銀色というべきか、灰色というべきかは迷いますが、他の区画とは明らかに異なる色で区別しています。東京都交通局では5000形や5200形の座席でも緑と灰色の組み合わせを用いていたので、ここだけ切り取って懐かしい…と思う方もおられるのでは、と思います。そう、東京都の緑好きは昔からだったのです(違


東京都交通局の車両では一時期よくみられた形状の袖仕切りです。これを縦に伸ばすと西武2000系や東急8500系、小田急9000系あたりでもみられるタイプの袖仕切りに近い形になりますが、戸袋窓が干渉するせいか、低い位置に留まっています。
肘掛けだと思えば気分も上々です。
 
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