明知鉄道  アケチ10形[ロングシート改造車]
 
  側面を見るとリニアの絵…将来を見据えたラッピングはわくわくしてきますが、あれ、東美濃ナンバーは正面には付けないんですか〜?
…明知鉄道10形は平成9年から11年にかけて増備された主力車両です。セミクロスシート車で登場した13は後年ロングシートに改造され10形そのものもロングシート車が多勢を占めています。ラッシュや観光輸送も頭をちらりとよぎりますが、きっと食堂車を含んだ急行の運用に弾力を持たせたいのでしょう。そそ、これは余談ですが土日の最終列車が早いのには驚きました。取材も観光需要による多客が心配でしたが、それなりの時間を使って撮る事ができました。
リニアのようなスピードに期待しつつ、なんとかリニア開業までは踏ん張ってもらいたいと思いつつ、山岳路線を行ったり来たりの日々です。
(取材・撮影 明知鉄道明知線・明智)

 

 

 


車内全景です。見事なロングシートの車内ですが、ロングシート改造時にきれいに手入れをしたようで、天井や側面の化粧板をきれいにしています。あまり鉄道に乗らない方はレトロな雰囲気さえ感じられるような演出はお見事です…が、実際レトロな部分もチラチラと…。
食堂車は中央にテーブルを置く格好で、昔の汽車の食堂車のような趣とは若干異なります。ただ、窓越しの景色と急勾配をも味わえる窓に自然にピントが合う車内配置は詰め込みとは一寸異なるロングシートの愉しみを教えてくれます。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が明智方の仕切りで、ドアの後ろには優先席と車椅子スペースを用意しています。第3セクター標準設計化車両第1号ということもあり、このあたりの動線はかなり練られたものではないかと思います。そそ、恵那方の乗務員室仕切り窓が縦長ですが、この形状はなかなか他では見られません。何か機器のパネルでもあるのでしょうか。
次駅案内などのLED表示器や運賃表示器が無い代わりに、運賃表が小さい字で記載されている点もポイントです。恵那に向かって増える一方のお客さんが多いから小さい字でも不都合無いのかと思っていましたが、意外と途中駅での乗り降りもありました。いずれにしても、落ち着いた雰囲気の仕切りです。


車椅子スペースです。残念ながらこのスペースに窓はありません。ベルトがダランと設置されていますが、ステップがある車両故に乗務員がセッティングするのが前提なのか、特段使い方が書かれていません。また、その上の握り棒もなぜあなたがそこにいるの…的なオーラを出しています。少しモケットとクッションを巻いて腰の高さくらいに止め直すともう少し有効活用できそうなだけに、やや勿体ない感じはします。


カバーつきの蛍光灯にフラットな天井…こちらも第3セクターの車両ではお馴染みのパッケージです。木目の天井がどこまで周りを暗くするかが気になりますが、必要最低限の照明はしっかり整えています。
吊革は広告付きのものを使用しています。この広告、個人でも申し込みができます。


床です。画像ではわかりにくいですが、ところどころネジの跡が残っており、それがクロスシートがあった部分の面影です。多少互い違いで左右3組ずつ固定クロスシートが設置されていましたが、この跡でそこまで想像するのはなかなか厳しいと思います。化粧板や天井と同じような色で構成されており、座席の色だけ目をつぶればあたかもヤクルトの中にいるような色の展開ですが、この色を真っ先に取り入れたのが床になります。

 
側ドアはステンレスです。ステップ部分はあまり目立たないため、特に恵那駅での中央線との接続などで慌ててつまづかないよう、注意が必要です。
左右ドア周りに握り棒がありますが、昇った先の段にも対応できる握り棒が片側にあると、少し乗り降りしやすくなるかな、と思います。始発や終点では乗車ドアのみ開けてスタンバイしています。後継車にも半自動ドアはつかなかったものの、冬の寒さを考えるとつけても良いのかもしれません。ついた暁には半分、青い。のポスターのような勢いで押しに伺います。そう、あのポーズは「待ってぇ次は1時間後だからマヂ勘弁〜」ではない…はずです。


側窓は2段窓です。キレイな横引カーテンはきっとロングシート改造の際に交換されたのでしょうか?ここの劣化にがっかりする三セク車も多い中で、好感が持てます。
このあたりにクロスシート時代の面影を探したのですが、帽子掛けや座席番号のプレートなどはありませんでした。

 
座席です。左の画像は明知行きで進行方向左側の座席、右の画像は同じ進行方向右側の座席で、明智側に優先席を設けています。
バケット改造などは受けていないものの、着席区分が緩やかに示された長〜いロングシートで、ちょっと昔中央線を走っていた113系のようなモケットの紺がポイントです。座面と背もたれが垂直に交わり、座面の奥行きが深くない壁にピタッと吸い寄せられるようなロングシートですが、速度が遅い事も手伝い、乗り心地に不満を感じる場面はありませんでした。これで混んで座席が全て埋まれば別問題ですが…。

欲を言えば、周りは見事に美しい化粧板に覆われているだけに、座席下のヒーターカバーや袖仕切りも木目で統一すると、もっと格好良かったかもしれません。


シルバーの優先席は4席分の設置です。袖仕切りが中途半端な存在に留まっている点も要注目で、下の棒は袖仕切りを支えるだけ…という、微妙なものです。3セク標準設計なのでこの袖仕切りが出回りましたが、ここで大型の袖仕切りが投入されていたら、3セク車の雰囲気も多少は違ったかもしれません。
それにしても、見事なまでにシルバー一色の優先席。
紺と銀の組み合わせは消えそうでなかなか消えない、息の長すぎるコンビです。


少し懐かしい整理券発行機と運賃箱。アケチ10形よりも古いかもしれません。


そしてバザールでござーるの広告、NECのロゴも懐かしい…部類に入ってしまうようになりました。
それだけ私も歳を取ったものです。そしてこの広告、電話番号が入っていない…オーノー。(東濃にかけたのは内緒です。)
 
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