東京メトロ  東西線5000系[アルミ車]
 
  左の画像の通り普段の5000系とはちょっぴり違う、キリリとした感覚と見難い方向幕がウリのアルミ車の5000系です。
1964年に東西線の主としてステンレス車が登場、その2年後にこのアルミ車が登場します。しかし製造されたのは翌年分も合わせて21両のみ。結局東西線には10両が残り、6両が千代田線の支線に、5両が廃車になりリサイクルされています。
その後続々とステンレス車が廃車となる中、2006年末においても東西線、千代田線ともに16両が見事に健在。後者はワンマン化を受け、綾瀬支線のみの運用に留まっていますが、前者は今尚JRや東葉高速に乗り入れるロングラン運用や快速運用にも就く活躍を見せています。
このページは物凄い多くのバリエーションを誇った5000系から東西線アルミ車の一部をご紹介します。
(取材・撮影 JR中央線(各駅停車)・三鷹〜中野)

 

 

 


津田沼方先頭車の車内全景です。この車両が登場した頃の営団地下鉄といえば濃い目の味付けの車両が多かったみたいですが、この車両もまさに濃い目。クリームの化粧板と焦げ茶のモケットが暖かみのある車内を作ります。4ドアロングシート、20mの車体長は乗り入れ先のJRに合わせた設計です。
なお、5000系といえば戸袋窓を塞いだ編成もいましたが、アルミ車は1両も塞がれていません。


乗務員室との仕切りです。運転席の背後のみ大きさ半分の窓を用いており、その独特な姿は眠たそうにも…見えない、ですよね(^^;;; 仕切りと側ドアの間のスペースが広く取られているのが特徴で、営団地下鉄において乗務員室背後に戸袋窓が設けられた車両は5000系が最後になります。
化粧板のクリームは鴨居部のあたりまでで、そこから上は白く塗られています。このツートンは様々な意味で東葉高速1000系にも踏襲されていますがそちらほど違和感はありません。


逆サイド車端部です。妻窓も完備しており、窓そのものは小さいながらも開放的な雰囲気になっています。また、貫通扉は全車両に備わっており、いずれも化粧板が貼られています。こちらの窓も小さめで、逆に小粒な雰囲気がお洒落かな、なんて気もします。
戸袋を兼ねていない部分については機器スペースや消火器用のスペースが備わっているため、若干座席が短くなっています。この微妙な作り分けは今の車両製造工程ではまず行われないだろうなぁ…という気がしますが、これも5000系の特徴の一つです。

 
さて、もう2枚車端部の画像を出してみました。例によって開閉窓の手前に消火器スペースがありますが、右の画像は脱色加工やパイをぶつけまくった物ではありません(^^;;

実はアルミ車は10両編成1本の存在なのですが、編成の中で2種類の化粧板を使っているんです。
左の画像は津田沼方から3両分に使われているクリームの化粧板。右の画像は三鷹方から7両分に使われているアイボリーの化粧板。冷房改造などをきっかけに張り替えられたものだと思います。1編成の中で見栄え的にかなりの差が生じてしまっており、末期の5000系はこのような「1粒で何度もおいしい」編成だらけでした。まるでJR103系みたいですね。

なお、大きく異なるのは化粧板のみであることや個人的にアイボリーの車内については全然取材に恵まれなかったので(すみません…)このページではこの1枚のみの紹介に留めようと思います。引き続き津田沼方から3両分の「クリームの化粧板」を用いた編成をチェックしていきます。


天井です。いきなりドカンと張りのある画像が出てきましたが、冷房改造によってダクトや吹き出し口、リターン口などがあれよあれよと小型冷房2台分が整備されたために非常に賑やかな環境になってしまっています。
吊革は丸い取っ手になっており、それを天井と結ぶ白くて細い支えがキレイです。


一方床です。見事に灰色一本!!の床です。ドアの周りには滑り止めがついていますが、注目は画像奥、貫通扉の手前の部分にも滑り止めがついています。ここまでやってくれる車両は珍しいのではないでしょうか・・・?

 
ドア周りです。左の画像は中間部分、右の画像は乗務員室背後の側ドアになります。乗務員室背後の戸袋窓には保護棒がなく、見ていてスッキリします。
201系試作車のようにドア窓と戸袋窓の高さが全く異なるのが大きな特徴です。5000系の方が先輩に当たるので、201系試作車がインスパったのかもしれませんが(^^;; このドア窓の小ささに景色が見えない…と泣きたそうな顔をするお子様もいらっしゃるかもしれません。 5000系のドア窓にはガラスを支えるために厚いゴムが周りにはまっていることがあるのですが、アルミ車ではその厚いゴムの姿が見当たりません。キリリとしていて、かつ四角に近い形をしているのがアルミ車ならではの特徴と言えるでしょう。あ、このドアだけで判断して「5000系っぽくない!」なんて窓からパソコンを投げないでください(^^;;
鴨居部も含めて化粧板で悠々覆われながらも、実に存在感のある方々です。


側窓は全車2段窓でした。営団や東京メトロは6000系や7000系の2段窓を1段窓に改良していますが、5000系に関してはノータッチです。もう先を見越した判断だったのでしょうか。
2段窓ながら開き方が独特で、上段を開けるには真ん中からぐいっと持ち上げますが、下段を開けるには上段の窓も一緒に持ち上げる必要があります。これは上段、下段がJR103系などとは異なり同じレールにはまっているからで、下段の窓を開けるときには冗談抜きになかなか重たい感覚を指を通じて体験することになります。見た目は良いんですけどね…。


座席です。まずはドア〜ドア間の7人掛けの座席から。
手前から3人掛け、4人掛けと分かれており、どちらも焦げ茶のモケットを使用しています。全体的にカクカクした印象ですが、見た目以上に奥行きと座面の沈み込みを感じる座席だと思います。
面白いのはヒーターの網目で見難いかもしれませんが、座面の下、手前の部分に取っ手らしき物がくっついています。3人掛け、4人掛け共についているのですが、一体何のためについているのでしょうか…?
小田急9000形のように座面が梯子になる…としたら長さが足りませんし、中にバネとピエロの顔がごろごろ転がっているわけではなさそうですし…ちょろっと開けてみたい気分にもなりますがそのままいじらないのが吉です。


車端部は3人掛けです。まずはこげ茶のモケットのバージョン。このモケットで優先席に指定されている区画も中間車を中心に多くあります。
袖仕切りは荷棚と一体化した棒状の物で、少し外側に曲がっているものの肘掛としての機能は全くありません。このような袖仕切りも、それから乗務員室背後のスペースもそうですが、6000系シリーズがヒットする営団にとって、6000系前夜に登場したこの車両には営団としては最後を飾る仕様を数多く秘めているような気がします。

 
優先席です。消火器スペース込みバージョンと、消火器スペース無いバージョンの2種類撮影してみました。ドアから座席までの空間については双方とも同じで、やはり座席の長さを調整して消火器スペースや機器スペースを生み出しているようです。
とすると当たり席が気になるところですが、消火器スペースの上が肘掛として機能する人であれば少し座席の長さが短くても消火器スペースつきの座席の方がゆったり過ごせるかもしれません。
モケットは紺を基本に背もたれに白いラインでグラデーションを模った優先席&シルバーシート柄。営団時代に登場した車両では数多く見かけるものです。



最後に運転台。半室構造のためにかなりコンパクトなつくりです。
でもその中にも東西線らしいアイテムが…マスコンの奥には「各停」「快速」を区別するための表示機があります。

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