東京メトロ  東西線05系
 
  1988年、当時の営団地下鉄東西線には半蔵門線から8000系がいました。その8000系を半蔵門線に戻すため、そして5000系の置き換えのために登場したのが05系です。1988年以後実に18年間も製造が続けられたため、そのバリエーションは最近の(と言っても1988年製の車両はもうすぐ20年選手になりますが(^^; )新車には珍しい豊富な状況になっています。今回はその中でも初期の車両、バケットシートが採用される前に製造された第1編成から第9編成までの車内をピックアップします。
現在も登場時の輝きをそのままに、そして運用はさらに広くなり現在は三鷹から東葉勝田台や津田沼まで走りきっています。
外観にはかつてついていた営団のマークがなくなり、代わりに東京メトロのマークが前面左上につきましたが…その中途半端な位置、何かこだわりでもあるのでしょうか(^^;;
(取材・撮影 東京メトロ東西線・中野)

 

 

 


いつも通り車内全景からです。20mの車体長に4ドアロングシートのスペックは乗り入れ先のJR、東葉高速の条件にも合致しています。アイボリーを基本にした車内は新鮮さがありますが、ウキウキした感覚では無くドッシリと地に付いた新鮮さかな、なんて思います。きっと6000系シリーズの車内コンセプトを踏襲しているからでしょう。見ていて実に安心してしまいます。
しかしながらその6000系シリーズよりも明るいし、スッキリしていることは確かです。


先に乗務員室との仕切りです。この頃の営団地下鉄は乗務員が出入りする扉の窓ガラスを着色するケースが多く見られましたが、05系ものど飴のようなオレンジに塗られています。図工の時間カラーフィルム越しに景色を覗くなんてことをついつい作業そっちのけでやっていたのを思い出してしまいました(^^;; そのオレンジの窓、そして扉は中央より若干右に寄った位置に設けられており、前面部分の非常扉の位置に合わせた格好になっています。おかげで大きな仕切り窓が左に確保されています。
吊革はしっかり先頭まで設けられています。

 
逆サイド車端部です。全ての車端部に化粧板の貼られた貫通扉がついています。
左の画像が通常の座席、右の画像が優先席になります。優先席の周りの吊革が「携帯電話の電源オフ」を訴えるために黄色の物に取り替えられていますが、それを含めても右の画像の車端部の方がちょっと古そうな感覚に捉えてしまうかな、なんて気がします。

この区画は後に片側4人ずつ座れる車両が登場してしまったため、この車両には何も非が無いのですが朝の座席争奪戦の時にいつもの「4人掛け」のノリで突撃すると椅子取り合戦になってしまう可能性があります。そういう意味ではちょっと可哀想な目で見られている事も考えられるかもしれません…。

 
なお、第4・5・6編成の2号車、9号車には車椅子スペースがあります。車端部の様子と、別角度からスペースの方にズームイン。このスペースは当初から設置されていたわけではなく、後から加工した物だそうです。妙にバリエーションが増えてしまいました(^^; 他の編成には設置しないのでしょうか・・・?
スペースそのものは側窓周辺に棒が増え、非常通報機が設けられました。側窓の青いカーテンはそのままなのですが、引き出す時に真ん中の棒が邪魔になってしまうのが難点になっています。


天井はフラットに。ラインフローが車内中央にででんと構えています。5000系の非冷房車がいた頃から走り始めているだけに、新車としてのインパクトはここにもあったかもしれません。
蛍光灯はカバーなどは一切無く、剥き出しのものになっています。


床です。この頃の営団地下鉄は床にもこだわっていました。青を外側に、中央にアイボリーを配置した床の色遣いは東西線のイメージカラーを踏襲したのでしょうか。意外に座席のピンクが引き立っています。
フットラインを形成する役目も果たしており、足を投げ出しにくくする効果も持ち合わせています。

 
ドア周りです。左の画像は車両の真ん中あたりのドア、そして右の画像は車椅子スペースに隣接した部分のドアになります。ドアの向こうにもドアがあります(^^;;;
化粧板も貼られた落ち着いた感覚のドアで、01系から始まった窓の長い両開き扉を採用しています。見た目もスッキリしていますが、車椅子スペースの戸袋部分にある銀の線がやや気になります。車椅子ステッカーを囲むような配置の銀やアイボリーの線は非常通報機の配線なのでしょうか?
鴨居部分にはLED表示機があります。全てのドアに設置されており、今となっては「がんばったで賞」を送りたい気持ちになります。LED表示機の下にある銀の出っ張りは6000系などでもよく見かけます。

もう一つドアの画像を載せました…。えっと上のドア画像と大して違いはありませんが(^^;;
実は、今回ご案内している第1〜9編成のうち、第7・8・9編成のLED表示機は他の編成とは異なるドットを使っています。つまり・・・表示される文字の形が微妙に違うんです。
文字が表示されてない状態で見た時は違いが全く見られないようで、ケースは同じ作りのようです。

 
左の画像が第1〜6編成のLED表示機。右の画像が第7・8・9編成のLED表示機。どちらも「次は 落 合」表示になっていますが、なんとなく文字の違い、伝わったでしょうか?左の画像の方が縦に伸びた感じがします。
 
ちょっとサイズもバラバラ、表示されている文字も違って比較しにくくなってしまいましたが、左の画像が第1〜6編成のLED表示機、右の画像は7・8・9編成のLED表示機になります。また落合か!なんてツッコミ入れられそうですが(^^;;
両者の違いはLEDのドット、表示の中にある格子状に見える部分がありますが、それを形成する1粒1粒の形の違いにあります。第1〜6編成はその粒が縦長の四角になっているのに対し、第7編成〜第9編成はその粒が丸く、細かくなっています。

個人的には左の「落合」の方が見やすいのですが、第7編成以降のLEDは粒が丸くて細かい分、より自然なフォントで出力されたり、ゴシックと明朝の切り替えや外字、やや複雑な文字でも等倍角でキレイに表示されるようになりました。第7編成以降左の画像のLEDが新規搭載された車両は無いだけに、LED表示の歴史の一幕をこの05系や、同じLED表示機を搭載している日比谷線の03系が担っていると言っても過言では無いと思います。


座席です。まずはドア〜ドア間の7人掛けから。
バケットシートは第10編成から登場につき、このグループはモケットによる着席区分に留まっています。しかしその着席区分の柄がまた凝っており、黒・青・黒からアイボリーへのグラデーションというデザインになっています。このデザインに惹かれた人はきっと自分だけでは無いはずです(^^;; おかげでピンクを引き締めていると同時に一発で「東西線だ!」とわかるような効果もあり、2005年、すなわちこの車両が登場してから17年後に東西線に移籍した07系に対してこのモケットを採用するなど、まさに東西線モケットの横綱に相応しい活躍ぶりだと思います。


網棚まで含めた1枚。この袖仕切りから網棚まで流れを持たせたデザインは6000系からの流れを踏襲しています。肘掛に相当する部分まで化粧板の使用領域を下げるなどの改良も01系で行われており、完成された袖仕切りの形態なのかもしれませんし、それを裏返せば飽きも感じられるくらい多くの車両で採用されているデザインと言えるかもしれません。
座り心地は適度に座面が落ち着いており、短い乗車時間では少し勿体無いかな?と思うような具合でした。


車端部は3人掛けです。モケットや座席そのものは7人掛けのものと同じです。一番端の席は機器スペースのおかげで出来た肘掛がわりのスペースもあることから、ある意味嬉しい席になっています。


優先席です。モケットはピンクと正反対の青です。背もたれには白のグラデーションが入り、優先席であることを示すステッカーなどもあります。営団では多くの車両でこのモケットがシルバーシートや優先席に使われているので認知度は高いと思います。しかしながら05系で使われているグラデーションを取り入れたとはいえ、それを着席区分に生かしきれていないのが少々残念です。
  
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