東京メトロ  9000系[5次車]
 
  巡り合わせの話をしても仕方が無いのは重々承知の上ですが、最近、この編成をよく見かけます。東京メトロ9000系5次車です。
とにかくバリエーションが多い9000系の中でも平成21年に登場し、登場早々これまでの雰囲気とは一線を画す鋭い眼差しに注目が集まったのも良い思い出です。尤も鋭いまなざしも南北線内ではホームドアが檻のように阻むので、動物園の猛獣の如く安心して観察することができます(^^;;
今後増備が進むかどうかはわかりませんが、東京メトロになってから個性的な車両が少しずつ増えているだけに、また新しい顔に期待してしまうのは私だけでは無いと思います。逆に言えば、列車増発用の増備のたびに設計図を1から作り直して最新技術を惜しみなく投入する東京メトロの姿勢はもっと評価されて良いと思う今日この頃です。メンテナンスを担う皆様、お疲れ様です!
(取材・撮影 埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線・鳩ケ谷〜浦和美園)

 

 

 


車内全景です。4ドアロングシートの車内です。床のエメラルドグリーンの強烈な違和感…。ホームドアがある関係で車体設計上制約があるせいか、画期的な車内…というよりも、これまでの9000系の車内の雰囲気をクールかつエッヂが効く感じに仕上げました、という第一印象です。事実、地下鉄線内ですれ違うと9000系の温かみのある色合いとは一味違う純白のあかりが展開されます。なお、照明にはLEDを用いているとのことですが、従来の蛍光灯のような配置になっています。


乗務員室との仕切りです。運転席側には着色ガラスを用いて、若干右に寄った乗務員室への仕切りドアは東京メトロではすっかりお馴染みの構成になりました。機器配置や非常通路の確保などの観点から、この部分の構成をガラッと変えるのは南北線では難しい予感もします。一時期見られた仕切りドアの着色ガラス、最近は滅多に出会わなくなってしまいました。

 
車端部です。優先席のものを左側に、通常モケットの画像を右側に置いてみました。モケットがあまり見えない分吊革や握り棒が賑やかに優先席であることを示しています。
優先席の配置が若干独特で、両先頭車はともかく、中間車は日吉方から2両目は日吉方の車端部に、それ以外は浦和美園方の車端部に設けられています。乗り入れ先の車両によって優先席の配置がちぐはぐになるケースは他路線にもありますが、開業が割と新しい路線でもこの状態…現状の車椅子スペースの構成を活かし、優先席の座席数を各車両同じにするのであれば、西武や京成のような優先席の配置を緩やかに提案したいところです。

 
車椅子スペースつきの車端部です。車椅子スペースには非常通報機と横方向への握り棒が設置されています。妻面には機器スペースもありますが、うまく握りやすいように工夫されている点はお見事です。
私的には東京メトロの車両によくある車椅子スペースの窓の左側の飾り枠が妙にツボです。空間の広がりを体現しているような飾り枠、左右に開け閉めできそうな錯覚さえ覚えてしまいます。


天井です。気持ち悪く感じる方は吊革の配置かもしれません。近年の東京メトロの車両に導入されている吊革は元の位置になかなか戻らず、握る部分がよそを向いているシーンを多数見かけます。不均一な見栄えは二の次としても、吊革によって握りやすい、握りにくいという差が生じたり、握りたてかどうかがわかってしまいそうな状態はあまり褒められたものではありません。
LED照明は通常の蛍光灯と見た目はあまり変わりません。灯具が少しひっこんで設置されている点はなかなかオシャレです。


床です。エメラルドグリーンです。学校の屋上を思い浮かべる人は多分私だけだと思いますが、まさに異色の存在と言えましょう。現状はきれいなエメラルドグリーンですが、今後の経年劣化が心配です。

 
ドア周りです。ドアの前に黄色い線で注意喚起を兼ねたシートが設置され、ドア上には開閉時に赤いランプの点滅があるなど、色々と気を配る機能が追加されています。ドア自体シンプルな形状で、静かに開閉します。窓の上の広告は鴨居部ギリギリの位置に貼られていますが、これでも表示ステッカーや広告ステッカーが少ないなぁ…と感じるのはきっと時代のせいだと思います。
LED表示器は案内表示のみの対応で、4:3の画面が今となっては懐かしささえ感じます。多彩な表示が図示されるので基本的にはわかりやすくなりましたが、文字の大きさ自体はかなり小さく、詳しい内容が行き届かないこともチラホラ…。


窓周りです。こちらはシンプルに1段下降窓を採用しています。地下鉄区間が多いのにロールカーテンを用意しているのは律儀で、当たり前のように設置してあるのがついつい嬉しくなります。網棚は車端部のみ若干位置を下げて使いやすくしています。


座席です。ドア〜ドア間の7人掛けからです。片持ち式のバケットシートを採用しています。なんとか厚みが無い座面で座り心地を良くしようと試行錯誤しているようで、座ると一瞬クッションの受け止めた感覚を抱きますが、すぐに底つき感と背もたれの垂直感にうなだれてしまいます。また、座面の位置が若干既存の9000系よりも低い印象で、足が短い私でも若干持て余し気味でした。故に、座席の横幅が広がっても定員通り着席するとちょっと窮屈に感じるかもしれません。
違和感のないスタンションポールの設置は新造車両だからこそです。

 
車端部は3人掛けです。この妻面の余裕がポイント大です。まさにやればできる子なのですが…他路線の車両を見ると設けられていな車両もちらちらいるだけに、どこまでこの空間を重要視しているかは不明です。
荷棚の低さもおわかりいただけるかと思いますが、優先席にはスタンションポールを設けても良いのかなぁと思います。優先席のモケットの区別は東急の3000系や5800系では行っていませんが、南北線の車両は他社も含めるとちょっと強引ですが、ピンクや赤紫のモケットで統一されているので、路線単位で様々な車両を見ていて優先席との区別が非常につきやすいと思います。故に、優先席の配置がバラバラなのが残念なのです…。


最後に袖仕切りです。金属パーツが黒く塗られた部分で、白い部分は内側が樹脂、外側が化粧板になります。非常に凝った作りで、デザインセンスもなかなか秀逸ではないでしょうか。ただ、金属の黒い塗装が所々剥がれてきているのも事実… あまり採用例を見ない袖仕切りですが、塗料をもうちょっと厚めに塗りたいところです。
 
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