東京メトロ  16000系
 
  東京メトロ千代田線といえば長らく6000系が幅を利かせる印象が強く、その個性的なバリエーションが魅力的な路線でしたが、東京メトロになってから、小田急・JRとともに置き換え車両が登場しました。16000系です。
画像では伝わりにくいですが、丸みを帯びた先頭形状が虫のようにも見えます(^^;; 6000系も途中で製造変更がされましたが、この16000系もその歴史を忠実にたどっているようで、先に中央に貫通扉を配置した編成が出てきて、その後は貫通扉をやや左に寄せた車両、さらに今回取り上げる細部を変更した4次車へとつながっていきます。明るい黄緑色のラインカラーがキレイですが…なぜに夜の取手発綾瀬行きの外観画像を載せるのかと自分にツッコミを入れたくなってしまいます。思えば「青海」と「青梅」を間違える人はいるようですが、綾瀬市と綾瀬駅を間違える人は聞きませんね。なんだかなぁ。
(取材・撮影 JR常磐線・綾瀬〜取手)

 

 

 


車内全景です。床と周りのコントラストが激しいデジカメ泣かせの車内です。10000系のような尖った意匠を期待していたのですが、思いのほか見慣れた車内に仕上がった印象です。4次車からは吊革の色が水色に代わり、少し落ち着いたかなぁ…というところですが、それでも低い網棚やスタンションポールなど、見た目ごちゃごちゃっとした感じは否めません。一方、後程車端部もご案内しますが、隣の車両までスッと見通せるのは気持ちが良く、今は見ることがなくなった6000系のキノコ形の貫通路を思い起こさせます。


袖仕切りです。6000系と比べてこの開放感!窓が大きいことはいいことだ!を実践していますが…6000系が極端に小さかっただけで、このサイズが普通だと思う今日この頃です。
乗務員室との仕切り扉にも濃い青色が入っていますが、90年代の営団の車両は窓ガラスに着色があった一方、東京メトロは扉に色…この流れも時代、なのかなぁ。


優先席は各車両に備わっています。中間車は左右両側に展開しています。黄色い吊革やモケット、ステッカーで表記はしていますが、小田急やJRの車両に比べるとちょっと見つけにくい感じです。妻面の紺の帯だけでも色を変えればわかりやすくなるのに…。
そして、見通しの良いガラス戸を含めた妻面は広々と。ガラス戸を示すプリントもシンプルに決まっています。尤も、ガラス戸になったせいか開け閉めの際に少々重く感じるようになった点は気になりますが、開け閉めが静かになったり、勝手に開かなくなった点は好感が持てます。

 
車椅子スペースは4次車から各車両に1か所ということで、かつての10両中2か所に比べれば大盤振る舞い!の5倍増しになりました。その分座席が減るのをやむを得ないと見るか、けしからんと見るかは人それぞれあると思います。左の画像は先頭車、右の画像は中間車の車椅子スペースつき車端部ですが、東京メトロは前から優先席の反対側に車椅子スペースを作ることがあったので、今までどおりの考え方で作ったと言えます。
優先席も…ですが、消火器が隠れている点はちょっと頂けません。悪いことしないから出ておいで…(殴

車椅子スペースです。握り棒とヒーター、非常通報機を設けています。また、非常通報機の上あたり、良い位置に握り棒を持ってきています。このポジション、意外と大人がよっかかると違和感を覚える高さだと思います。
この部分を見ると妻面の紺の帯も映えますね♪ 上の方には蓄光ステッカーで号車表示もついています。すっかり地下鉄車両では定着しました。


天井周りです。ルーバーを思い起こさせるデザインでメリハリのついた仕上げになりました。ただ、10000系のようなデザイン上の冒険が見られないのは、このデザインで落ち着いたからでしょうか。そして4次車からは吊革にも色がつきました。この吊革、素材のせいかよくねじれたままのものを見かけます。元への復帰が遅いというか、よく使われているというか…色はついても形に大きな変化はありません。半自動ドアのスイッチと一緒で、次の改良の段階までもう少し時間がかかる…のかもしれません。


床は紺色をベースに細かい柄を配置したものです。ドア前の黄色いラインがアクセントになっていますが、幅がちょっと物足りない気もします。なるべく凸凹を減らした床にしたい思惑を感じます。

 
ドア周りと液晶ディスプレイです。液晶ディスプレイは各ドアに備わっています。さすが東京メトロ、このあたりに全く抜かりありません。ドア自体も静かに開くのでドアチャイムとともにおしとやかな感じがします。ここに技術の進化を思わずにはいられません。
もう一つ、ドア周りの握り棒も鴨居部と違和感なくセッション。10000系ではわかりにくかった「握る部分」が同じ銀色ながら別パーツになって、明らかな「棒」になりました。この画像だと棒の張り出しがわからない美しさ、お見事です。
液晶ディスプレイは右側に次駅案内など、左側には広告などが流れます。


窓まわりです。大きめの窓ですが、荷棚の張り出しによって小さく見えてしまうのが残念です。その荷棚も透明にはなっていますが、どうしても窓際を中心に影が落ちてしまう様子もこの画像から伺えます。尤も座っている人にとってはあまり気にならないと思います。


座席です。ドア〜ドア間の7人掛けです。バケット&片持ちという近年すっかりお馴染みになった組み合わせです。柄物のモケットは見ていて美しいもので、定員どおりの着席にとらわれないデザインは見事です。
ただ、座り心地は短距離重視で、小田急の多摩急行のようにずっと乗るような状況だと、背もたれの薄さに寂しいものを感じてきてしまいます。腰回りをしっかりサポートして欲しいのに、薄いままストンと座面に接続している感じです。小田急・千代田線・常磐線と混雑は避けられない3線を結ぶだけに、座り心地と立席スペースの確保の両輪は難しいかもしれませんが…。
 
車端部です。3人掛けのロングシートで、ここも壁に挟まれた格好です。優先席はモケットが明るくなっていますが、もうちょっとメリハリのある色に…いや、袖仕切りの関係であまり気にならないからこれで十分です(^^;; 座面はどちらもそれなりに、緩やかに沈むスタイルです。加速に負けそうになることもたまにありましたが、それは私の問題だと思います(^^;;;


袖仕切りです。ガラスを用いたデザインになりました。握り棒と一体になった形状ですが、全体的に冷たく感じる素材で形成され、着座時に接する面が多いのは特に冬場はイマイチです。また、重たい素材なので壁面との設置面が今後わずかな隙間ができないか、小さいネジに髪の毛が引っ張られないかが心配です。ガラスが魅せるグラデーションは見事ですが、ここの窮屈さを6000系から引き継ぐ必要は全くありません。
 
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