東京メトロ  15000系
 
  2010年、05系初期車の置き換えで登場した15000系。ワイドドア車として登場…と聞くと湿布薬で見かけるような両矢印のマークをつい探してしまいますが(^^; ヘッドライトに東京メトロらしい意匠を感じるものの、当初は05系の増備車として名乗る予定もあったと聞いて、ひっくり返りそうになった次第。あ、このコンテンツでひっくり返るなんて言うと…あらやだ、強風が…
現在16編成が活躍しており、結構何本かまとまって見ることが多いような印象があります。朝ラッシュ時の切り札という役割が大きいのでしょう。JR中央・総武線各駅停車や東葉高速鉄道線への乗り入れ運用も担っていますし、ゴシック体のフルカラーLEDで「快速」の表示を出して颯爽と地上区間を走る姿もすっかり板についています。
(取材・撮影 東葉高速鉄道線・東葉勝田台 他)

 

 

 


車内全景です。4ドアロングシートの車内、地下区間ではわかりにくいですが、やけに窓が多いような印象を受けます。
形式を新たに付与された車両を並べると10000系と16000系の間に登場した車両ということになりますが、両者と比較して目新しさがないというか、今までの延長線上にあるような雰囲気に落ち着いているような感じがします。今回妻面や座席の色合いがガラッと変わっていますが、むしろそこが目立つほどで、あの05N系が出てきた時の「え、本当に05系でくくっていいの?!」というほどの焦りはありません。焦りと言うとむしろ座席の確保の方で、この形式はドア〜ドア間で6人掛け、車端部は2人掛けが基本となっています。そう、他形式の代わりに15000系が来た日には……。


乗務員室との仕切りです。
05系ワイドドア車では乗務員室後ろのドアに限り、1300mmの通常幅でした。15000系では先頭車の車体長を若干伸ばすことにより、この部分のドアも1800mmのワイド幅を実現しています。初めて乗った時は広がった戸袋部分が立客スペースの拡大に寄与しているのでは…と思っていたのですが、これまでの05系との違いがあまり感じられません。
そして、このドアの手前の座席は6人掛けではなく、5人掛けです。

 
車端部です。左の画像は通常仕様の車端部で、2号車、つまり東葉勝田台方から2両目以外の中間車の中野方が該当します。右の画像は優先席の仕様で、先頭車の他、中間車では9号車以外の東葉勝田台方の車端部が該当します。
荷棚の位置が若干低くなっている分わかりにくいですが、戸袋窓と側窓がつき、思ったよりも明るい車端部に仕上がっています。そこに木目柄の化粧板がアクセントになります。座席モケット共々この系列の特徴の一つで、東京メトロでは10000系に続いての登板になります。ただ、貫通扉は10000系のような全面ガラス張りのものではありません。

 
車椅子スペースです。一部編成を除き、両先頭車から2両目に設置されています。左の画像は東葉勝田台から2両目の車端部で、通常仕様のモケットとのペア、右の画像は中野から2両目の車端部で、優先席とのペアになります。後者は車椅子スペース部分の吊革まで優先席仕様に染まっています(^^;
この画像ではわかりにくいですが、東葉勝田台から2両目の車椅子スペースつき車端部に限り、消火器が妻窓と側窓の間に設置されています。カバーに入った消火器が少々わかりにくい15000系ですが、特にこの立ち位置から消火器を探そうと思うと、妻面の小さいピクトグラムを頼って探すようになります…。ケースの窓をこちら側に開けるだけで見つけやすくなると思いますが、いかがですか…?


車椅子スペースです。東葉勝田台から2両目の車椅子スペースも吊革以外は同じです。
手すりは窓の下に1本、そして非常通報機が備わっています。車端部では荷棚が低く設置されて小さく見えがちな戸袋窓の意外な大きさを実感することができます。
東西線の車両は車種によってヒーターの有無、車椅子固定器具の有無などバリエーションがありますが、最もシンプルなパターンです。


天井です。2013年の時点では蛍光灯を用いていましたが、2024年の時点でLED照明に切り替わっています。少し灯具が細くなったような印象がありますし、2013年の時点では一部の蛍光灯を間引いていたこともあり、一気に細部まで明るくなったような印象があります。蛍光灯の頃はフリッカーに悩まされ…あ、これはワタシくらいですね(^^;;
営団時代の車両ではお洒落に映っていた荷棚、15000系ではごく一般的な組み方に落ち着いています。


床です。グレーを基本とした柄の一色です。ドア前には黄色いシートを貼ってドアがあることを喚起していますが、この黄色が2013年に取材した時よりもかなり明るくなっているような印象があります。手元の画像で比較すると、影ができやすい日中の地上とLED照明の灯りが隅まで届く地下という違いこそあるものの、まるでここ10年間で素材を交換したかのような印象さえ感じる、点字ブロックにも負けない鮮やかな黄色になっています。


ドア周りです。1300mmから50mm拡大し、1800mmの幅を確保したワイドドアです。確かに窓周りを見るとその幅の広さに圧倒されます。また、車端部とドア〜ドア間で戸袋窓の幅の違いも味わい深いものです。画像のドアの右側、戸袋に貼られるであろう広告ステッカーの所在が若干心配になりますが、妻面にしっかり貼られています。
それ以外の部分は他系列でも見られそうなパーツで固められています。ドアそのものも化粧板を貼り、開け閉めは思ったよりもスピーディです。

 
鴨居部の液晶ディスプレイです。2画面構成ですが、結構配置に余裕を感じます。右の画像は2013年に撮影したもの、左の画像は2024年に撮影したものです。約10年でドアコックの蓋に表示が目立つように貼られ、防犯カメラが設置されました。防犯カメラも形状が様々ですが、こうしてレンズが躯体から飛び出ている形状はよりその存在を「リアル」に感じます。鴨居部下の出っ張りは東京メトロのお馴染みの形状です。
左の画面は広告、右の画面は路線図、次駅案内、開くドアの案内など列車に関する情報を次々と流します。東葉高速鉄道線内やJR線内でもしっかり表示されます。


窓周りです。ドア〜ドア間は戸袋窓、側窓、戸袋窓の組み合わせで、側窓は上部を開けることができます。また、側窓はロールカーテンを備えています。

 
座席です。まずはドア〜ドア間の6人掛けを左に、先頭車乗務員室背後のみ存在する5人掛けを右に並べてみましたが、どちらもスタンションポールは1本、さほど構成も変わりません。
10000系の製造途中で改良が加えられた形状と同じであろうバケットシートを採用しています。さすがに直角椅子に座っているようだ…という形状からは脱していますが、それでも座面は平らでクッションのようなバウンドをあまり感じない上に、背もたれの形状が窮屈さを助長しているように感じます。このドア〜ドア間の座席はまだ良いのですが、2人掛けはもう少しゆとりが欲しいものです。

 
その車端部の2人掛けです。妻面と座席の間に機器スペースを入れて、妻面に近い座席でも壁に押し付けられるようなことはありません。ただし、消火器がこのスペースの上、妻窓と戸袋窓の間に備わっている東葉勝田台から2両目の座席、ここは消火器ケースと肩が干渉します。10両中1か所のハズレ席…ここ、中野駅や東葉勝田台駅で乗り換えに利用する階段に近いこともあり、結構埋まっていることが多いだけに…他の車両と同じようにできなかったのでしょうか。否、できていればわざわざこのような形状を採用しなかったことでしょう。とすると、機器スペースの中には何が…(^^;;

ちなみに、ある日の夕刻、西船橋始発の中野行きで案の定このハズレ席が埋まっていたのですが、スーツ姿の方がストロング系のチューハイを不機嫌そうに飲んでいました。日頃の鬱憤の消火に躍起だったのでしょう、消火器の隣で…(^^;;;


優先席は先ほどのハズレ席はありません。モケットも通常仕様のものとは異なる水色をベースにしたものです。東西線系統ではもはや諦めかもしれませんが、車種によって優先席の割り当て数が異なっており、この15000系の優先席は中野方から2両目は2席、それ以外の車両には4席設置されています。
2人掛けなのでさすがにスタンションポールはありません。


袖仕切りは05系から引き続き大型のものを備えています。画像は2024年に撮影したもので、少々くたびれている様子が伺えます。この車両以外にも、例えば首都圏でも他社他系列でみられますが…デビューしてから20年も経っていないのに、縁の色が剥げたり、汚れが擦られたような跡がついているの、なぁぜなぁぜ?
 
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