東京メトロ  07系
 
  1993年に有楽町線に登場した07系。最終的に6本が増備しましたが、ホームドアとドア位置が合致しないことからワイドドア車も走る東西線に転属、こちらでしっかり定着した印象です。今回はB修繕工事前の車内を取り上げます。故にすっかり見慣れたざっくりした3色の前面LED表示器は健在で、丸くて人懐っこい表情を見てホッと和むものです。7000系の進化系のような位置づけで増備が進んでいたら…と妄想する前に、06系はどこへ行ってしまったのでしょうか。06系も東西線に転属していたら15000系の増備も1本減らせたと思うのですが…
製造当初から他の私鉄に乗り入れていますが、現在も東葉高速鉄道線やJR中央・総武線各駅停車にも乗り入れる活躍っぷりです。カレーでお馴染みの西葛西を通過する快速運用も華麗にこなします。…お後がよろしいようで(^^;;
(取材・撮影 東葉高速鉄道・東葉勝田台 他)

 

 

 


車内全景です。東西線への転属にあたって座席モケットと床の変更を行っています。
この画像では伝わらないですが、有楽町線時代はピンクの化粧板とワインレッドのロングシートが上品な時間を醸し出すような雰囲気で、結構私もお気に入りでした。東西線に入っていよいよ東京屈指の混雑路線に挑もうとする姿勢を整えた感じです。ホームドア泣かせのドア配置も名物ですが、私としては高くなった天井周りがもたらす開放感がイチオシです。
4ドアロングシートの車内です。


乗務員室との仕切りです。窓1枚、扉1枚というシンプルな構成ですが、この頃製造していた営団地下鉄の車両には見られない独特の配置で、特にドアと窓の間の間隔を開けているところが気になります。思えば07系の座席配置が端から4人、6人、7人…と独特なのはこの乗務員室のスペースの確保のためとのことですが…窓配置を変えなければならないほど機器がたっぷり…の乗務員室だったのか、はたまた少数派のお試しだったかはわかりません。
近年はさらに仕切り左上に弁当箱のような機器が1つ追加されています。

 
車端部です。中間車の三鷹方が通常モケット、先頭車と中間車の東葉勝田台方が優先席になります。4人掛けのロングシートは妻面からドアまで幅目一杯の展開で、この空間の使い方はまるで東京メトロよりも東急の4ドアステンレスカーを見ているような気分です。それでも消火器をケースに入れているあたりが上品です。
貫通路のドアが下に伸びた分、妻窓はありません。どうも消火器の上の銀縁の蓋を見るとそこにかつて…と言いたくなってしまいそうですが、この形式に関しては昔からこのスタイルです。

 
車椅子スペースは前後各先頭車から2両目になるよう、2号車・9号車に設けられています。いずれも3両目に近い側に設置されているため、2号車は通常モケット、9号車は優先席の中に設置されています。営団〜東京メトロでは割とお馴染みの配置でしたが、近年の更新では各車両に車椅子スペースやフリースペースが設けられるのが恒例になっています。この車椅子スペースも更新後の様子を見ると2人掛けの座席がなくなっているので、このアベックシートに2人身を委ねて荒川に沈みゆく夕日を眺めるのも、近いうちに…。
で、つい夢中になって転倒しませんように。

 
車椅子スペースです。窓枠から伸びた飾りがなかなか素敵です。握り棒と非常通報機のみのシンプルな構成です。比較的長い距離を走り、頻繁にドアの開閉がある東西線ですが、ヒーターの設置までは至らなかったようです。これも時代の先端の設備なんだなぁと思っていた時期があったわけで、ベビーカーのマークも含め、なかなか発展著しい空間です。
面白いのが同じ車椅子スペースなのに、吊革のバンドの長さが異なります。黄色い吊革に交換した際に短いバンドに切り替えたのでしょうか。


天井周りです。いつの間にかLED蛍光灯に切り替えが済んでいます。細い蛍光管に一瞬ドキッとします。センターにラインデリア、そして冷房の吹き出し口と続きます。荷棚から座席にかけての一体的なデザインが胸キュンですが、この系列は特に荷棚に余裕を感じます。その荷棚は金属線の格子が落ち着いた車内の中でカジュアルな装いを魅せています。


床は東西線転属時に灰色一色のものになりました。有楽町線時代はフットラインも形成して落ち着いた雰囲気だったのですが、なんかこう…前を知る者としては安っぽくなってしまった感じが拭えません。


ドア周りです。このドア周りも登場時と比べるとステッカーが増えて賑やかになっていますが、ドア上のLED表示器は登場時からそのまま。化粧板も含めて、07系らしい落ち着いた雰囲気を見事に伝えてくれます。液晶ディスプレイが全盛の今日では鴨居部のスッキリした表情もちょっと懐かしい感じがします。見ていてバランスが良いのが爽快です。


LED表示器です。ちょっと変色してしまっているように見えるのが残念ですが、鴨居部も含めたこの形状がお見事です。07系ではすべてのドアにLED表示器が備わっています。
東葉高速鉄道線内では行先の表示しか出ません。もはや相互直通あるあるとしては徐々に減っていっていますが…東西線内では次駅案内やドア開閉の案内など、こまめに表示を変えてきます。それでも駅間距離が長いと消灯します(^^;;


窓周りです。1枚窓ですが、外から見ると側窓の横幅の違いに気が付くかどうかでいわゆる鉄分の濃い、薄いのバロメーターになりそうです。ロールカーテンも備わっている点が嬉しいです。

 
座席です。ドア〜ドア間は7人掛けと6人掛けです。見た目の違いはバケットシート故に数をかぞえること(^^;;と、スタンションポールの本数です。そのスタンションポールも東西線転属後設置されています。
着席区分つきのモケットは有楽町線時代に交換された編成もあったそうで、床やスタンションポールと施工時期が異なるケースもあるようです。東西線仕様のモケットは思いっきり05系に寄せてきた格好ですが、帯だけではなくモケットで路線判別…を目指したのでしょうか?
 
4人掛け、そして2人掛けの座席です。2人掛け座席の袖仕切りも窓の下に収まっている様子が伺えます。4人掛けのロングシートもスタンションポールが真ん中に挟まっています。
片持ち式ではない形状のバケットシートですが、明らかにバウンドしない硬めのセッティングで、立つときについ「よっこいしょ」と体を起こすような座席です。最近のバケットシートと比べるとちょっとなぁ…と思うところですし、正直少し幅が狭い印象が拭えませんが、座り心地に関しては今後の修繕工事に期待したいと思います。

 
優先席はこのモケットです。この柄に懐かしさを覚えるのは私だけ…ではないと信じたいです(^^;; バケット形状を無視した横線はかの5000系でも見られました。こういうわかりやすさは粋だと思います。
座席だけでなく袖仕切りも紺色のモケットを貼って区別しています。この力の入れようです。


袖仕切りです。90年代の営団地下鉄でよく採用されていた袖仕切りで、どうしても近隣の私鉄と比較するとくるっと巻かれたモケットにちょっとした優越感を覚えたものでした。ただ、このモケット部分の横棒は着席している人がひじ掛けとして使うにはちょっと高く、奥の袖仕切りの出っ張りが邪魔でなかなか厳しい姿勢になります。
立席の方向けのサービスと思えば納得ですが、やはり大型袖仕切りには敵いません…。

余談ですが、別形式で使用されたモケットが巻かれた金属の横棒を「袖仕切り」と称して販売していた場面に出くわしたことがあります。買った人はその後どう使われているか…ヨネスケさんに突撃して聞いてもらいたいものです。
 
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