東京メトロ  丸ノ内線02系[後期車]
 
  赤いラインでお馴染み、丸ノ内線の「顔」が02系。今回ご案内するのは6次車以降の車内になります。「後期車」として一括りにしてご案内します。後期車の最大の特徴は足回りの変更です。細かく言えば5次車の途中からですが(^^;;; 外観などに特に変更はありません。細かいところに色々ツッコミを入れるとキリが無いのが営団地下鉄や東京メトロの車両の特徴なのですが、後期車はわりと一度にまとめて投入された経緯があり、あまり編成ごとの差はありません。
ワンマン運転への対応や50編成への「ロッテガーナチョコレート」のラッピングなど、近年も活発な動きが見られます。2009年度より初期車から更新工事が開始されましたが、果たして後期車への波及はあるのでしょうか。
(取材・撮影 東京メトロ丸ノ内線・荻窪)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。3ドアロングシート、ちょっと狭めの車体幅に車体長は18m。座席にスタンションポールが設置された後の全景になります。
営団地下鉄ならではの内装に仕上がっており、ラインカラーに合わせたモケットやフットラインの入った床、FRPの窓枠など、十八番と呼ぶに相応しい設備が整っています。ただ、少し狭めに見えるのが丸ノ内線クオリティ。車端部の天井の低さも気になります。


乗務員室背後の仕切りです。最前部まで吊革が伸びていますが、その奥には広告枠が3連で並んでいます。3つ並ぶ姿はなかなか珍しいのではないでしょうか。そして冷房によって若干低めにセットされた天井も特徴です。
乗務員室との仕切りは大きなガラスが3枚。オレンジ色の着色ガラスを使っている02系もいますが、この編成に関しては用いていないようです。ワンマン運転に伴い車掌さんが乗らなくなったので、後方からトンネルをずっと覗く地下鉄ライフも悪くありません。
両開き扉故に仕切りとドアの間に適宜空間があるのは好感が持てます。

 
車端部の様子です。左の画像が通常のモケット仕様。意外にも3号車・4号車・5号車の池袋寄り車端部しか見られません。右の画像は優先席モケット仕様で、両先頭車の車端部に加えて2号車・3号車・4号車の荻窪寄り車端部がこの仕様です。青いモケットで他の席との差別化を図っていますが、さらに近年吊革を黄色くして差をつけています。
戸袋を兼ねた妻面には窓を設け、冷房の配電盤や消化器を入れるスペースを設けた関係で戸袋以外の部分はしっかり壁で覆われています。一時期の103系のような趣ですが(^^;;広告枠の有無が気になるところです。

 
2号車の池袋寄りと5号車の荻窪寄りにはそれぞれ車椅子スペースがセットされています。左の画像が2号車、右の画像が5号車になります。編成内の車椅子スペースの位置をなるべく均等にしたい!という思惑から優先席・普通の座席ともに2人分の座席が取られ、車椅子スペースとして活用されています。かえって座席バリエーションが増えているのが座席屋泣かせです(^^;;
 
車椅子スペースは2号車・5号車ともにあまり差はありません。コンパクトな握り棒と非常通報機をセットしています。
FRPの窓枠が車椅子スペースにも続いているような感覚ですが、営団地下鉄や東京メトロでは06系や07系でも見られる処理方法で、網棚と袖仕切りが一体になっているデザインです。

地下鉄で短距離利用が主なので折り畳みの座席や滑り止めの床などは特に設けられていません。


天井です。画像は車内中央から端に向かって見ています。
中央の天井がちょっと高い部分はラインデリアが設けられており、その両側に剥き出しの蛍光灯が設けられています。
白系の化粧板ということもあってかなり明るい車内になっています。更新車はピンク色の化粧板になるとのこと、この明るさがどうなるかが楽しみです。


床は中央にベージュ、両端にブラウンをセッティング。落ち着いた色合いに仕上がっています。

 
ドア周りです。丸ノ内線の02系は片側にLED表示器、もう片側に路線案内表示器がついています。千鳥配置です。
ドアそのものは化粧板付きの両開きで、自分は鈍感なのであまり気がつかなかったのですがドアの幅が1400mmになっています。乗り降りの多い地下鉄ならではの工夫です。
独特な窓の支持形状に惹かれますが、ドア窓も段差が少なくなるよう複層ガラスを用いています。

 
路線案内表示器を左の画像として、LED表示器を右の画像としてそれぞれ掲げてみました。
LED表示器は丸ドットの標準的なものに仕上がっています。
それに対して左の画像の路線案内表示器は02系の真骨頂ではないでしょうか。現在位置や進行方向、ドアの開く方向などを一目で教えてくれます。駅のナンバリングもそつなくこなしており、シールで貼ってある姿が見られない点から推測すると副都心線開業後そっくりそのままパネルを取り替えた物かと思います。
左右に「このドアが開きます」という表示もあり、停車直前になるとやんわり光ってお知らせする点も見逃せません。


FRPでかたどられた縦長の三連窓。02系の明るい部分を支える重要なパーツです。
このFRPに溝が掘られていない事からもお解りの通り、この系列にカーテンはありません。ほんの僅かながら地上区間のある丸ノ内線だからこそ許される事なのかもしれません。


座席はドア〜ドア間8人掛けから。スタンションポールがついてからは「3人・3人・2人」という変則的な区分にも見えてしまいますが、スタンションポール以前にバケットシートだったため、変則的な区分もあまり気になりません。
蘇芳色をベースにしたモケットは単調にならないような模様が入っています。このあたりのバランスは営団のセンスが光ります。座り心地も奥まで腰掛けられるような形で、スッポリホールドしてくれる感覚はあまり硬さを感じさせません。乗り降りの激しい地下鉄において、なかなか上手い具合に面倒見ているなぁ…といった印象です。

 
車端部は5人掛けと3人掛けの2種類があります。どちらも袖仕切りのいわば肘掛けに相当する部分以外に変更点はありません。ただ、一番妻面寄りの座席については画像をご覧頂いたとおり冷房の配電盤の関係で脇に肘を逃せるスペースが無い座席もあります。これは車椅子スペースの有無は関係ありません。妻窓の無い座席については配電盤が出っ張っている場合があるので、整列乗車などの際には要注意です。

元々5人掛けだったので短くしても3人掛け。20m車はこの車端部を4人掛け、短くすると2人掛けというケースが時折見られますが、18m車は2人掛けを回避しています。銀ブラカップルにはちょっと残念です。

 
優先席も5人掛けと3人掛けの2種類がスタンバイ。青いモケットはかつての営団5000系などで見られた「紺色モケットのシルバーシート」を十分彷彿させてくれます。
袖仕切りの上の部分は肘掛けにしてはやや高い部分ですが、モケットを貼っています。営団では一時期見られた仕様で、丸ノ内線を始め多くの路線でモケット貼りと金属地剥き出しの2種類が混在しています。触り心地は硬めながらモケット貼りの方がよく、金属地の冷たさを見た目的にも和らげています。

なお、この後期車よりも後に投入された方南町支線用の02系はこのモケット貼りが省略されています。
目に見えるコストダウン策ですが、中野坂上で後期車から支線車を見るとなんとも言葉では言い表せない「現実」をつきつけられている気がしてなりません。

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