阿武隈急行  8100系
 
  1988年生まれ、2ドアセミクロスシートの8100系です。この生まれの車両だとステンレス車も続々お目見えしてきていますが…民鉄初の交流車輛は普通鋼製を採用しました。
足回りは713系に準じているとのことですが、見た目はどことなく独特で、ブラックフェイスに80年代後半を連想させるロゴマークやストライプが実に印象的です。いつ見てもこの手のデザインは色褪せないものです。近年は方向幕からLED表示機に置き換わっていますが、今回は方向幕の時の外観画像をどうぞ。こちらの方が落ち着いたように見えるのは単に私が歳を重ねたからでしょうか(^^;
2両編成9本が製造されましたが、徐々に後継のAB900系に置き換わるようで、堂々2編成つないだ仙台までの直通列車も見納めになる日は近いのでしょうか…。
(取材・撮影 阿武隈急行線・福島〜槻木)

 

 

 


車内全景です。2ドアでドア〜ドア間はセミクロスシート、車端部はロングシートで混雑にもしっかり対応できる構成です。JR417系や717系も2ドアセミクロスシート、車端部はロングシートだったのであまりこの時点での違和感はないですが、この画像の奥にある片開き扉と211系を連想させる「流行り物」の袖仕切りが新鮮に映ったのでは、と思います。
登場当初からカラーコードの変更は優先席以外なく、大きな改造もないため、代替わりした仙台地区のJR車ばかり見ていると思わず「懐かし〜」と言う声が出そうです。加えて、整理券発行機が前ドア付近から後ろの両開きドア近辺に移ったことに驚いている人…はさすがにいませんね(^^;

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が福島方、右の画像が槻木方になります。この部分にトイレがあるのがなかなかユニークですが、編成中央にロングシートを配置し、立席面積を増やしたりワンマン運転時の車内への視界を確保したかったのかもしれません。また、トイレと片開き扉の間には3人掛けのロングシートが備わり、どちらの車両も優先席に指定されています。
仕切り自体は半室構造の運転席+下がり壁という構成で、80年代後半キハ185系やキハ54形など「乗務員室直後に片開き扉がつく車両」に多く見られたものになります。その下がり壁のど真ん中、これが目に入らぬか!とばかりに「禁煙」ステッカーです。


トイレ周りです。面白いのがこのトイレ周りの一部分にゴミ箱を設けたことで、丁寧に蓋まで取り付けられています。スペースをうまく活用していますが、ごみを捨てる時に気づいていない方が多いのでは?と余計な心配をしたくなってしまいます。また、トイレと固定クロスシートが隣り合わせになる車両は117系やキハ66形などそこそこいますが、この形式ではトイレの壁よりもクロスシートの方が若干はみだしていることが伺えます。座席の横幅を調整する、いわゆるS席のような扱いもできたと思うのですが…
小指をぶつけてしまいそうな構成に緊張感が走ります(^^;;


車端部です。8人掛けのロングシートで、モケットは基本的に蘇芳色です。
88年の趣味誌で「ユニーク」と名指しされた妻面のキノコ型の貫通路、ワンマン運転の通り抜けを考慮した作品になりますが、モノレールや東京メトロ6000系あたりを見ているとちょっと幅が控えめで、エリンギのような出で立ちです。
この妻面には配電盤などがある関係で、イラストや広告を掲出する場合は貼りがちな妻面ではなく側面に掲示されます。

 
意外と厚みを感じる妻面のエリンギさんです(^^;;
手すりが備わっている他、貫通路の幅に合わせて内側にも幌を設けています。そう、これだけ被せれば安心の二重構造(殴
照明の関係で夜乗るとちょっと暗めに感じますが、乗降時に立ち止まらず通過するだけのエリアなのであまり気になりません。
耐雪構造にはなっていないことから、機器室などはありません。

 
天井です。フラットな天井は吹き出し口もスマートなつくりになっていて、ラインフローファンは特段設けられていません。なんとなく121系あたりの天井を見ているような気分です。蛍光灯は間隔を開けての設置で、アイボリーの化粧板が明るさを補っているようにも感じます。
珍しいのは吊革で、確かに80年代数多く見られた広告枠と一体になった吊革を今でも握ることができます。どこで告知をしたのか、「勝利をつかめ!いざ初陣」「阿武急乗ってLet's go!」「今日も一日お仕事頑張ってください」などのポジティブな言葉が飾られるケースも見られました。


床はベージュ一色。登場時から全く変わっていません。

 
ドアは片開き扉、両開き扉の2種類があります。どちらも戸袋窓を備えていますが、ドアから戸袋窓まで若干距離が離れているのが新鮮で、片開き扉のドアコックはさらに離れたところにあります(^^; 2011年の時点でドアチャイムのスピーカーが備わっています。
どちらも無塗装のドアで、ドアステッカーは編成によって異なるようで、中には東急ハ●ズを彷彿とさせる緑の手のドアステッカーも(^^; ステップが1段ありますが、特段警戒色を用いた区別は行っていません。

 
細かい話ですが、半自動ドアのボタンも片開き扉、両開き扉で異なります。後者はボタンに色を塗ったようで、「しめる」を目立たなくさせたい意図があるようです。その意図は後継のAB900系にも引き継がれています(^^;; 車外のドアボタンはどのドアも同じです。
それにしても…テプラ大活躍(^^;;


灰皿の跡が気になる窓周りです。登場時から上段のみ開閉ができる2段窓で、スッキリした見た目が良い感じです。AB900系には無いロールカーテンも備わっています。
それにしても…素敵な風景に癒されます。

 
ロングシート、車端部は8人掛け、ドア脇は3人掛けです。まずは通常の蘇芳色のモケットから見ていきます。
柔らかい座面と奥行きの深さが魅力のロングシートで、車端部の長いロングシートも3人・3人・2人の組み合わせで構成しています。バケットシートが流行りだす前夜のロングシートで、特に空いている時間帯ではゆったり過ごすことができます。
この時既に211系のようなスタイリッシュなセミクロスシートが存在し、袖仕切りもその影響を受けていると思うのですが…クロスシートの背面はまだ昭和の香りが漂う装いを採用しています。

 
登場時は特段モケットで区分していませんでしたが、JR東日本の優先席と同じ模様のモケットに変更されています。後ろのステッカーもJRに合わせていましたが、今は私鉄で多く採用されている優先席のステッカーに改まっています。整理券発行機の跡もチラッと伺える優先席の3人掛けロングシートです。

 
クロスシートです。取っ手の半月が如何にも美しく、1988年生まれにして年齢と見た目のギャップを感じる最たる要因がこのデザインでは、と思うこともしばしば。吊革の使い分けも(実用面の有無はさておき)見事にロングシート部分、クロスシート部分で設置の有無を分けています。
座面と背もたれが分かれたロングセラーの固定クロスシートで、肘掛けが水平のタイプです。フレームは登場時から茶色です。この形状、このセッティングが何より良好な座り心地を捧げてくれます。
東北本線を18きっぷで辿る時、大河原の絶景を銀色電車リレーで辿るのも悪くはないですが、阿武隈急行への寄り道でこんな素敵な空間が待っていると思うと…寄り道したくなること請け合いです。
あ、AB900系が来たら……それはそれで、まいっか(^^;;;
 
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